「働いたら負け」がウソである6つの根本理由 「カネがあれば仕事しない」では人生間違える
私はコンサルティング会社に在籍した12年以上にわたる期間、大企業・中小企業をあわせて1000社以上を訪問し、そこで働く8000人以上の人々を見てきた。
マスメディアや本、ネットには「偉大な成功者たち」のエピソードが数多く並んでいるが、長く働くうち、「偉大な成功者たち」に関するエピソードよりも、身のまわりにいる、普通の人々に学ぶことのほうがはるかに多いことがわかった。だから、私の紹介する話は普通の方々が悩んで出した結論や、必ずしも成功とは言えない体験談、現場での素直な感想などである。
一度に大きな変化を起こすことは誰にもできない。何かを成し遂げようとするならば、それなりの準備や時間をかけて物事に取り組む必要がある。この連載の目的は、そのような方々の一助となることである。
なんで働かないといけないんですか?
とある会社のインターンに参加した学生の1人が、インターン終了後、私にあるメールを送ってきた。
インターンへのお礼をつづったメールであり、会社の経営者に宛てたものであったが、そのなかに、ある質問が含まれていた。
私はそのメールを経営者に転送し、どのように返答するか、支持を仰いだが、その会社の経営者は、質問を見て「自分で回答したい」と言った。
その質問とは、オブラートに包まれてはいたが、要約すれば、
「なんで働かないといけないんですか?」
という質問だった。
その経営者は「たしかに、インターンの成績や、質問内容は採用や選考に関係ない、と言ったが、この質問はなかなか勇気がある」と感心し、まじめに答えたいと言い、次のような主旨のメールを学生へ送った。
こんにちは。
「なんで働かないといけないんですか?」という質問をもらって、私はとても驚きました。私は働くのが当たり前だと思っていたからです。
でも、当たり前と思っていることを疑うことはとても大切なことだと思いますので、まじめに考えて、回答したいと思います。
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