「独身男には欠陥がある」は大いなる誤解だ 結婚する男とは「幸せの貯蔵庫」が違うだけ

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③きっちりソロ男…21.0%

基本的に真面目で、礼儀作法を重んじ、自分の意見を変えない頑固さを持ちます。潔癖症でもあります。独身でありながら、いち早くマンションを購入するタイプに多い。言動とは裏腹に本音では結婚したがっているパターンです。
〈口癖〉要するに/一応/だから

④仙人ソロ男…13.6%

無理をせず、面倒を避け、自己顕示欲も出世欲も金にも興味がない。一人でいる時間をこよなく愛し、それが苦にならないので、彼女も欲しくない。そもそも恋愛が面倒。年齢に関係なく、人生を達観している節があります。
〈口癖〉すみません/大丈夫です/まあ…

ストイックソロ男…11.7%

周りの視線や評価など気にせず、自分の興味関心領域にストイックに突き進む男たち。オタク系の人たちも含みますが、スポーツに打ち込む人、研究者などもここに当てはまります。糖質制限をしたり、身体を鍛えまくる人もこれです。
〈口癖〉ちなみに/マジで/絶対

いかがでしょうか。この調査では「社交性ソロ男」がもっとも多かったのですが、ネット上の反応では「ストイックソロ男」「きっちりソロ男」「仙人ソロ男」の割合が比較的高く出ました。

結婚の幸せを知らないなんて「かわいそう」?

ところで、こうしたソロ男たちに対し、「結婚しないと強がっているけど、それは後付けの結果論。結婚できなかった自分をごまかしているだけだ。結婚して子どもを持つという本当の幸せを知らないなんてかわいそうだ」。そんな意見もいただきます。

結婚して暖かい家庭を持つ幸せを否定はしません。しかし、幸せの形は人それぞれです。何に関心を持ち、何にお金と時間を使い、それによってどう幸せを感じて生きていくのか。ここに絶対的な正解はありません。「生きる価値観」は人それぞれです。一人を寂しいと感じる人もいれば、一人でいることに安らぎを感じる人もいます。

ソロ男が結婚しない理由のひとつに「自分のためにお金と時間を使いたい」というものがあります。だからこそ、普段の日常のちょっとした消費行動にさえ、彼らは幸せや喜びを見出します。彼らの消費は、大きく承認欲求と達成欲求を満たすために行われます。つまり、ソロ男にとってお金と時間の消費は自己の幸せに直結しているんです。それは、決して家族というものを持たない心の穴を埋めているわけではなく、結婚する人とは別の器に幸せの貯蔵庫があるのです。ソロで生きることと、社会的に孤立することとは別の話です。そうご理解頂ければ、と思います。

いずれにせよ、2035年には、ソロ男・ソロ女に加え、離別死別を含んだソロ生活者が4800万人を超えます(国立社会保障・人口問題研究所「平成24年日本の将来推計人口」)。日本は、人口の50%が独身者という「ソロモンの時代」に突入します。それをただヒステリックに騒ぎ立てても、悲観しても、何も生まれません。現実を見据えた上で、新しい未来を考えていければと思っています。

荒川 和久 独身研究家、コラムニスト

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あらかわ かずひさ / Kazuhisa Arakawa

ソロ社会および独身男女の行動や消費を研究する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』(小学館新書)、『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』(ぱる出版)、『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(ディスカヴァー携書)(ディスカヴァー携書)、『結婚滅亡』(あさ出版)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『超ソロ社会』(PHP新書)、がある。

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