マーケティングもアドビに任せろ CEOが語る、“元”クリエーターソフト企業の新機軸

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特定分野のリーダー企業を買収

――オムニチュア以降も、企業買収を進めています。

米国エフィシエント・フロンティアやデイソフトウエアの買収によって、マーケティングクラウドの中身がより充実しています。クリエーティブクラウドではビーハンス(ソーシャルネットワーク企業)を買収することでクリエーターのコミュニティを統合できるようになりました。クリエーティブコミュニティの会員数は2013年末までには100万人に達すると予想されています。クリエーティブコミュニティに対して、アドビはイノベーションの継続を約束しています。

ソフト事業という視点でも、アドビは過去よりもずっと強い地位にあると考えています。クリエーティブクラウドとマーケティングクラウド。今後も、この2つにフォーカスして、その機能を強化するための企業買収を積極的に進めていきます。

――4年前にオムニチュア買収の決断をしなかったら、アドビはどうなっていたと思いますか。

想像するのはなかなか難しい。少なくとも言えるのは、買収してイノベーションを続けてきたからこそ強い会社になることができた、ということです。アドビは過去を振り返ってもつねに変化してきており、次の進化に向けて動く会社です。

――アドビはタイミングよくM&Aをすることで、変化を遂げています。買収先の決め方は?

「世界で何が起きるのか」を、つねに考え続けています。変化のためには社内における有機的なイノベーション、すなわち新製品を出していくことが、まずは基本。それと同時に、アドビの外で活動しているさまざまなエキサイティングな企業に目を向け、「彼らがアドビの一員になったらどのようなことができるか」と考えるのです。そして、アドビとオムニチュアを組み合わせることでコンテンツを作るだけでなく、さらに作ったコンテンツの収益性を測定できるようになる、というビジネスモデルに懸けたのです。

M&Aで重要なポイントは、その特定分野におけるリーダーを買収することです。ビックデータが今話題になっていますが、アドビがオムニチュアを買収した3年前の時点でビッグデータが重要になることを見越していました。また、「文化を大事にする」ことも大事です。

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