米国銀行の貸出機能に正常化の動き

景気・経済観測(米国)

金融機関や投資家が再び商業用不動産市場への投資に目を向け始めたのは、延滞率の低下によって投資妙味が増しているからだ。FRBが発表する銀行貸出の返済延滞率(30日以上)をみると、一時9%近くまで上昇していた商業用不動産向け貸出の延滞率は、足元で3%半ばに低下している。景気後退前の平均である1%半ばの水準には未だ届かないとはいえ、相当程度正常化が進んでいるといってよいだろう。

消費者向け信用にも改善の動き

家計では、クレジットカードローンや自動車ローンといった消費者向け信用を通じて貸出を増やす動きが散見されるようになってきた。銀行のみならず、クレジットカード会社や自動車ローン会社などノンバンクといわれる金融機関でも、積極的に貸出を増やす方針に転換しつつある。

このように金融機関が貸出意欲を高めている背景には、貸出債権の受け皿となる証券化市場が再び活発化していることがある。個人向けの貸出債権を対象とする資産担保証券(ABS)市場では、自動車ローンを裏づけとしたABSの発行額が既に景気後退前のピーク水準に肩を並べつつある。

また、クレジットカードローンを裏づけとするABSの発行額も、水準は未だ低いとはいえ持ち直している。雇用の改善や景気回復によって延滞率が低下したことに加え、低金利下の運用に悩む投資家の事情も背景にあるようだ。

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