ベンツEクラス最強「AMG E63」のスゴい実力 612馬力の爆速モンスターはここまでスゴい
しかし、いかにエントリーモデルの出来が良かろうとも、本物志向の、つまりセダンであってもAMGを名乗る以上、ポルシェ 911などのスポーツカーに負けることなどあってはならないと考えるユーザーにとっては、ロクサンこそが本物であり本流のAMGに他ならない。間もなくアメリカはカリフォルニア州ロサンゼルスで開幕するLAショーは、そうした本物志向のAMGニストにとって、待望のモーターショーになることだろう。だだ、LAショーを待ち望む理由はそれだけではない。W213のEクラスにラインナップするロクサンには、秘密兵器とさらにもうひとつ、飛び道具も用意されているのだ。
最高出力はAMG GT Rを上回る612ps
新しいEクラスのロクサンは無条件で4WD、すなわち4マチックを採用し、さらにふたつのバリエーションが存在する。ひとつはE63 4マチックプラスで、最高出力571psのAMG謹製となる4リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載。このエンジンはホットインサイドVと呼ばれる左右バンクの間にターボチャージャーを搭載したAMG GTでもお馴染みのパワーユニットだ。
シャシーには、前後輪はもちろんのこと左右輪のトルク配分を完全自動で行う新しいFRベースの4輪駆動システムを採用。これが車名にある4マチックプラスのプラスたる所以だ。ドライ路面はもちろんのこと、ウェットまたは雪に覆われた道であろうと、すべての条件下で高い操縦安定性とファンなハンドリング、安全性を確保。AMGは、物理的な限界まで最適なトラクションを確保したと自信を持つ。
通常は後輪駆動らしい走りをドライバーにもたらすが、路面状況をクルマが判断し、まるで頭脳を持っているかのごとくインテリジェントな制御を実施。シームレスなトルク配分を瞬時に行うのだという。
これだけでも十分にホットなE63 4マチックプラスではあるが、前述のとおりAMGは更にその上を行くモデルを用意している。それが最高出力612psと最大トルク86.7kgmを発揮する、AMG GT R以上のパワーを持つE63 S 4マチックプラスだ。AMG GTのトップモデルたるGT Rでさえ最高出力が585PS、最大トルクは71.3kgmであることを考えれば、セダンのEクラスにいかに法外なポテンシャルを持ったパワーユニットをインストールしたのかが分かろうというものだ。