「硬く熱いメンタル」を作るための2つの習慣 ドイツ伝説のGK、オリバー・カーンのメンタル術

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そもそもカーンが「頭の中のカバン」を作ったのは、GKになるためのビジョンを、つねに意識すべきだと考えたからだ。

「世界で愛されるGKになりたいという情熱」と「8万人の観客と無数のTVカメラに囲まれてプレーする熱狂」をカバンに詰め込み、迷いが生じそうになるたびに、2つのビジョンを取り出して夢を再確認した。

カーンは本の中でこう記している。

「もし困難な状況に陥ったら、『自分は試されている』と考えるんだ。次のステップに進む準備はできているか、すべてを捧げることができるか、とね」

カーンはモチベーションの塊のような選手と思われていたが、やはり彼も人間だ。弱さも、迷いもある。だが、カバンとスプレーという手法を確立したことで、鉄のように硬く、火のように熱いメンタルを作り上げることに成功したのだ。

選手だけでなく、一般の人にとっても、カーン流の仮想スプレー活用術は参考になるはずだ。

木崎 伸也 スポーツライター

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きざき しんや / Shinya Kizaki

1975年東京都生まれ。中央大学大学院理工学研究科物理学専攻修士課程修了。2002年夏にオランダに移住し、翌年からドイツを拠点に活動。高原直泰や稲本潤一などの日本人選手を中心に、欧州サッカーを取材した。2009年2月に日本に帰国し、『Number』『週刊東洋経済』『週刊サッカーダイジェスト』『サッカー批評』『フットボールサミット』などに寄稿。おもな著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『クライフ哲学ノススメ 試合の流れを読む14の鉄則』(サッカー小僧新書)など。

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