夏目雅子さんの逸話
ただし、「大人の文化」といっても、大上段に構える必要はないと思います。先の3つの条件がそろっていればいいのです。たとえば、自堕落的な生活を送っている女性には、自然の中にただずむ神々しい神社に連れ出すのもいいでしょうし、打ちっぱなしの経験しかない女性なら、ゴルフ場に連れ出すのもいいでしょう。
外資系の会社に勤めている相談者の人が、さりげなく神社でお参りの作法を教えたところ「意外なこと知っているのね」と、女性の態度が俄然よくなったことがあるそうです。夏目雅子さんは、伊集院静さんが超難解な漢字をさらりと書いたところに引かれたという逸話があります。大きな仕掛けで女性を魅了するのもよしですが、こうした何気ないところに「文化」はにじみ出るのです。
文芸作品で感性のレセプターを増やす
最後に、こうした観点から見落とされがちなことに触れたいと思います。まず質問です。「最も手軽で身近な芸術」は何でしょうか?
それは文芸作品です。「文芸」とは文学芸術の略。文字どおり文字という表現形態による芸術作品です。本はどこへでも持ち運びできるし、名作と呼ばれるものでも、文庫でわずか500〜800円程度なので、最も手軽で身近な芸術というわけです。
文芸作品を読むことは、異性とのコミュニケーションをよくするうえでもプラスになります。なぜなら、相手の経験や感性に共感する力を養うことができるからです。
自分自身でも経験していないことを、「本当の意味」で共感することは難しいものです。たとえば、病気の苦しさは経験がないとわかりません。だから、相手の「病気してつらかった」という話は、自らのこととしてつらいと思えないのです。
読書はこうした経験を補う行為です。文芸作品には、さまざまな人の経験や感動がぎっしりと詰まっています。これらを疑似体験することで、「その話、わかるわかる」という感性のレセプター(受容器)を増やすことができるのです。
女性の感性に対する共感力を上げるという観点では、ストーリー展開に力点を置いたものより、登場人物(特に女性)の内面を色濃く描いたもののほうがいいでしょう。
「そう言えば、仕事関係の本しか読んでないよなー」という方は、普段読まない本に手を伸ばして「異次元」の読書体験をするのはいかがでしょうか。文化に親しむうえでも、コミュニケーションの質を高めるためにも、視野を広げる意味からもお勧めです。
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