「3秒ルール」がまるで当てにならない理由

医者の私は落ちたモノをとりあえず食べる!

手にしたおカネも、それを持った手も、床よりずっと汚いかもしれないのに(写真:Ruslan Grigorev / PIXTA)

「3秒ルール」はウソだと論じた研究について、あなたも聞いたことがあるかもしれない。その研究によると、床に落ちた食べ物をどんなに速く拾っても、結局は細菌が付いてしまうという。

しかし、3秒ルールに対する人々の関心に、私はずっと疑問を感じていた。なぜ、そんなに床を気にするのか。ほかにもっと危険なものがあるのに――。

床以外でも細菌は付く

私が3秒ルールに興味を持ったのは、医学的な誤解についての本を数年前に共著で出版した時だ。執筆にあたって参照した研究には、食べ物が家の中のさまざまな物に触れると、たとえそれが短時間であっても、細菌や他の有害な物質が付着し得るとした研究がいくつもあった。

最近発表された研究では、食品やそれが触れる物、触れている時間をさまざまに変えて実験が行われていれた。この研究でも他の研究と同様に、床に落ちた食べ物には、それがどんなに短時間でも細菌が付く可能性があることが示された。

つまり、細菌が付かない魔法の秒数など存在しないのである。しかし、すぐに細菌が付くとわかっていても、私はキッチンの床に落ちた食べ物を食べてしまう。なぜなら、キッチンの床はそれほど汚くはないからだ。

こうした場合の判断基準は、「床に細菌が存在するかどうか」ではなく、「家の中の他の物と比べて、床にはどの程度の細菌が存在するのか」とすべきだ。そう考えると、床よりももっと心配すべき場所があることがわかる。

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