初回のリフティングで、いきなり懸垂30回しろと言われたときは、「はは、ご冗談を」と思ったりしましたが、隣で同じ時期に始めたクリスティンが、スイスイ懸垂をやり始めてびっくりました。彼女は、秋学期はフィールドホッケーのチームに入っていたのですが、シーズンオフの間、クルーをやろうと思ったそうです。
「フィールドホッケーのときからリフティングはやっていたからできるだけだよ。ミホもすぐにできるようになるよ!」とさわやかに語っていましたが、私は足首を持ってもらうという補助のもと、頑張ってようやく上がる程度でした。
ちなみにリフティングルームには、フットボールチームのコーチ(オリンピック選手を教える資格をお持ちだとのこと)がいつもいて、皆に器具の使い方を教えたり激励したりしています。この前、私が懸垂をしているときに忍び寄って来て、「棒の上まで行け! まだ行けるだろ! 棒の上までいかないのはカウントするな!」という激励をいただきました。
日本だと、「女子はかわいくあれ! か弱くあれ!」という風潮がなきにしもあらずだった気がしますが、アメリカのチームでは、「懸垂くらいスイスイできるタフな女であれ!」という雰囲気があって、アメリカのほうが自分には合っているかなと思っています。夜ご飯のときに、筋肉について語り合うことは日本ではまずないですしね。
応援の仕方もアメリカン
午後の練習は、シーズン入りまでは、月水金は60分から80分間の自主トレ、火木はチーム全体での練習です。チーム練習ではジムの2階で一斉にergをやります。1月の間は、2月のErgathonという24時間erg駅伝という謎のイベントに備えての練習をしました。1分間30 strokeで、5分×5回、6分×4回、7分30秒×3回、というように、毎回、メニューは違います。ちなみに毎回、タイムを計り、練習後にはエクセルのファイルで全員分のデータが送られてきます。
シーズン入り後は、自主練はなくなり、毎日3時間、チームでergでのトレーニングです。ただし春休み後からは池の氷が溶けるので、大学が所有するOnota Lakeというところで実際にボートに乗っての練習です。またシーズン入り後には毎週土曜日には試合(レガッタとよびます)があります。
クルーは8人の漕手と、漕手に指示やら叱咤激励をとばすCoxswain1人の計9人でボートに乗ります。普段の練習ではCoxswainたちはergをやらず、われわれの後ろに立って応援してくれるのですが、それがすごい。日本の部活の応援は、「ファイトでーす」とか「ガンバでーす」とかだと思うのですが、もう応援の仕方もアメリカ!という感じで、
“YOU GOT IT!”
“I KNOW YOU CAN DO IT!COME ON! COME ON!”
“BRING IT HOME, BRING IT ALL THE WAY!!”
“GOOOOO WILLIAMS WOMENNNNN!”
みたいな感じです。大文字にしてもまだ迫力が伝えきれません。
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