3. Just Embrace it.
コーチの口癖です。
皆が神経質になってしまう期間というのがあります。部活中で言えば、たとえば風のとき。ボートって風が吹くと、漕ぎづらいわ、水はボートの中に入ってくるわ、びしょびしょになるわ、たまにボート壊れるわで最悪です。というわけで、風が吹いているときは皆のモチベーションも下がってしまいます。
また、部活と勉強のバランスもなかなか大変な時期とかがあります。2kテストという、ergでのトレーニングがあるのですが、授業の期末試験期間とがっつりかぶることがあります。2kテストのプレッシャーは半端なく、その前には皆イライラソワソワしてしまいます。ネット上にも、2k test prepなんてサイトがあったりして、私自身2kテスト前にはよくのぞいていました。
そんなときにコーチのメグは、いつもほんわかとした笑顔で、
“Just embrace it :D!”
と言います。どんなに大変なことがあっても、どんなにつらいことがあっても、それをただ前向きに受け止めなさい、という感じです。風が吹いたときには、風があるときの試合の練習だと思えばいいわけですし、2kテストも自分がどれだけ頑張ってきたか、皆に見せる機会だと思えばいいのです。天候とか、部活のスケジュールとか、自分で変えられないものに対して迷っても仕方がない、と。自分でできることは頑張って、できないことはjust embrace itというメンタルは、ほかの分野においても応用できるものだなと思いました。
4. ビリを経験
部活に入ってよかったなと思うのは、自分がビリという経験をしたことです。遅くに入ったこともあって、私のergのタイムは大抵ビリでした。ただ、毎回、文字どおりチームメイト全員が応援してくれるので、これだけ強いチームでも実力ばかりがすべてじゃないんだなと思いました。年度末にBest RowerとかBest Freshmanとかを匿名投票で決めるのですが、何人ものチームメイトが私にbest freshmanを投票してくれたのです。
ではいくつかそのときのコメントを紹介させていただきます。
"Miho, I know that she hasn't been on the team very long, but I think her love for this team and sport has been evident from the start. She is a wonderful example of dedication and commitment."
"Almost every time I walk down Spring Street, I see Miho going to or leaving the gym. She has worked incredibly hard this year and demonstrated willingness and eagerness to learn that has been truly inspirational. This woman's commitment to being her personal best is unparalleled, and even though she has made huge strides this year she remains humble."
女子クルーチームは全員で40人と割と大きいのですが、ただ優勝を目指すだけではなく、お互いのことを皆が大切に思っていて、本当にいいチームだなと思います。まさしくAll for one, one for allです。皆のおかげで、最後の2kテストでは目標としていたsub2を達成することもできました。
海外に出ると、自分の小ささに気づかされることがよくあります。今までまったく苦労しなかったことにすごく苦労する経験を味わったり、自分が1番だった分野でビリを経験したりすることもあります。そんなときに腐ることなく、自分のレベルを冷静に受け止めて(Just embrace itですね!)、努力をしていけば、きっといつかは高みまで上れる――そのことを、チームスポーツを通じて学べたように思います。
(構成:アゴス・ジャパン 後藤道代)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら