マルハン社長、「太平洋クラブ」獲得の真意 アコーディア流の低価格ゴルフ路線は採らず

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マルハンはパチンコホール運営企業として売り上げトップ。店舗数もまもなく300店。一方で、パチンコ以外の事業領域を拡大していくという中長期ビジョンに取り組んでいる。

現在、飲食事業では子会社マルハンダイニングを立ち上げ、年商150億円規模に成長。ビルメンテナンス事業では子会社エムエムインターナショナルが年商100億円程度ある。銀行業では5年ほど前、カンボジアでマルハンジャパン銀行を立ち上げた。エンターテインメント分野でも複合娯楽施設のフェスティバルゲート(大阪市)を買収し再生を進めている。

今後、日本国内ではパチンコも含め、レジャー産業はマイナス成長となりシュリンクしていく。そのとき、300店体制まで築いたマルハンの最もコアの強みが人材のオペレーション力だ。この15~20年ほどマイナス成長を続けてきたパチンコ産業の中で、当社が急成長を遂げてきたのは、やはり理念、ビジョンがあり、それを動かしていく人材、オペレーションに強みがあったからだろう。

人材力、組織力を持って事業のフィールドを広げていく。そのひとつとして、かねがねゴルフに注目してきた。ゴルフ産業も全体ではマイナス成長が続いているが、パチンコ産業と同じように、きらりと光る強みを持って取り組む企業は成長できると思う。

会員組織からは昨年初夏に“声”が掛かる

太平洋クラブについては、(2012年1月の民事再生手続き申し立て時には)すでに入札が進み、われわれは遠目に見ていた。マネーゲームの様相を呈し、顧客や会員不在の議論が進んでいく中で、健全な再建がなされればと考えていた。

今回のタイミング(昨年10月に民事再生計画案が否決され会社更生手続きに移行)は仕切り直しのようなもの。会員組織である「新・太平洋クラブ創る会(以下、創る会)」が新たに発足し、(会員の期待とは)違う方向に行きかけていたのを何とかマルハンとともに、ということでお声掛けいただいた。

マルハンの経営理念は「人生にヨロコビを」だ。ゴルフ事業への参画は、その喜びを広く伝えていくひとつのステージとしてふさわしいと考え、この話がスタートした。

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