豊島岡での生活は勉強だけができても、何の評価もありません。勉強はきっちりやって当たり前。それにプラスアルファを求められます。ですから、生徒達は、48の部活のどれかに所属して、生き生きと活躍しています。後輩の指導やチームのまとめに苦労しながら、48人のリーダーがそれぞれ苦労しながら成長していくのです。
――女子学院が「はっきり主張する女性像」、雙葉学園が「勉強に部活にボランティアに精を出す品のよい女性像」なら、豊島岡ではどのような女性を育てようとしているのでしょうか。
そもそも豊島岡には通学制限がありません。最寄り駅の池袋に埼玉や神奈川からやってくる生徒もいます。そのうえ、高校募集をして、新しい風を入れています。みんなが多様な価値観を認めるいい意味での「雑多な集団」です。私立女子高にありがちな「お嬢様」のイメージはないでしょう。
「かわいこちゃんになれ」とは?
私自身が豊島岡の卒業生で、在校時に、当時の二木友吉校長から言われたのが、「かわいこちゃんになれ」ということでした。言われた当時は、正直、意味がよくわかりませんでした。ですが、社会に出て、就職したときに、ようやく意味がわかりました。「気立てよくて、誰からも信頼され、かわいがられるような女性になってほしい」という意味だったのだと思います。生徒には、いい大学に行っても、驕ることなく、女性らしさや思いやりの心を忘れずにいてほしいと思います。
――なるほど、これからはいよいよ打倒、御三家、というところでしょうか。今後、課題があるとすればどういうところにあるのでしょうか?
部活だけをしに来ている生徒がいることでしょうか。部活だけを頑張っているようではだめですよね。今後は学力の面で言えば、「すべての生徒を希望の大学に合格できる水準まで引き上げる」ことが課題、というか目標ですね。
(撮影:梅谷 秀司)
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