しかも住宅の着工件数も、今のペースでは年間100万件を超えることになり、要するに過去のアメリカの平均的な住宅着工件数にもどりつつある、という事になります。リーマンショックと言うのは本当にダメージが大きく、この着工件数は50万件ほどまで落ち込んだので、それが倍になると考え下さると、どれだけの景気回復のインパクトがあるか、はかりしれません。
私は個人的にこの住宅関連に対する数々の政策・・・差し押さえ禁止、ローンの借り換えの促進などなど・・・・を執行したオバマ大統領に対する評価があまりにも過小評価ではないかと常々思っているくらい、2008年のリーマンショック後の住宅市場を活性化させた彼の手腕は高く評価されるべきです。
ついでに、忘れてしまっているかもしれませんが、あのGMでさえ、倒産させて回復させたというのは考えようによっては大変な事であって、どうも彼の能力が過小評価されているのが気になりますね。
欧州は時間を買っている最中。このままだと「ヤバい」
さて、そのアメリカはシェール革命もあり絶好調としても、一方の欧州はどうでしょう。
これは前白川方明日銀総裁がおっしゃったとおりで、いまECBが「時間を買っている」最中なのです。さまざまな手法を駆使して国債を買いまくっているわけですが、買っているものが基本的につぶれそうな国の国債ばかりだ、ということを忘れないでください。
つまり刻一刻とECBのバランスシートは劣化し続けていて、その意味では「異次元緩和」をやっている日銀のバランスシートが毀損するといっても、それは日本国債を買っているわけですから、イタリアやスペインなどの国債を短期的かつ集中的に買っているECBとは、それこそ「次元が違う」のです。
彼らのバランスシートの毀損はすさまじく、ECBの総資産のうち50%までもがそういう国債ばかりになってしまった時に、ユーロなどと言う通貨が果たして流通できるのかどうか、これは相当壮大な実験なのです。
こうしているうちに時間は少しずつ失われており、この間に失業率が改善するとか、製造業が復活するなど、なにがしかのプラスが出てこないといけないわけですが、問題のギリシアはもちろん、スペイン、イタリアに至っては失業率が25%!! という有様です。4人に1人が失業しているというのは一体どういう世界なのか・・・・日本の失業率がせいぜい4%程度ということからすれば、それは比較にならない世界なのです。
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