大きな経験になったのが、東京ディズニーシーでのアルバイトだった。アルバイトには、開業直前の塗装作業を一気に仕上げるために集められた、多様な経歴の人たちがいた。
イラストで生計を立てる家族持ちの中年男性、フリーター、クリエーター、米国からやってきたスタッフ……。その中には、美大を目指して通っていた予備校に講師としてきていた、あこがれの美大の卒業生もいた。
「目指していたキャリアの人と同じ仕事をしていることで自信を持てた。また、さまざまな立場の人たちと出会って、それまでは絵を描くことしか頭になかったが、いろいろな世界があることに気づけた」と齋藤は言う。
Nシリーズはまだ続くが、齋藤自身は、N-ONEを最後にNシリーズのカラーデザイン担当からは外れ、現在は新しい車種の担当として、開発に取り組んでいるところだ。
齋藤は次のクルマに「何か新しい要素を必ずひとつは入れたい」と言う。「関係者には、ほかと同じことをしたいんですか? せっかくなら新しいことをしましょう、と言い回ってます」と笑う。
はたして次のクルマにはどんな色が登場するのか。齋藤はどこまで巻き込んでいくのか。今から楽しみだ。(=敬称略=)
(撮影:風間仁一郎)
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