割に会わない医療ビジネス-儲かるのは美容外科だけ
以前、われらが「東洋経済オンライン」で“医者の小遣いは意外と少ない”というコラムが人気を博していたが、親愛なる読者の皆様でビジネスワールドに染まっている方々は、きっと日ごろの医者がどのように割に合わないか、ご存知でないと思う。私たちの予想と異なり、数千万円の授業料の果てに彼らが得ている生活は、決してうらやましくはない。
内科ではいくら働いても給料は変わらず、拘束時間は基本の12時間に加え、当直でいつでも呼び出される。深夜にかけつけ、吐血で瀕死のご老体に胃カメラをつっこみ、医療ホッチキスでバチンと止血。やっと終わったと思えば、“直腸から大出血”と緊急に呼び出され、“単に痔であった”と追い返されることも少なくない。
いくら粉骨砕身患者につくしても、世の中の見る目がますます厳しくなり、すぐに訴えられる危険と隣り合わせでもある。
私の先輩で神奈川県在住の舟橋ジョーンズ氏40歳(仮名)は、「正直、いつもやめたい」と感じているという。美容外科で年収4千万円をもらっている友人の釣りキチ三平氏(仮名)と違って、「内科の俺は授業料の元を取るのに20年はかかる」と嘆息する。
そんなジョーンズ氏も愛想よく医師会のお偉いさんに接してきたのが功を奏し、跡継ぎがいない開業医が引退する時に格安でその病院を買い取り、今から本格的に収穫ムードに入るそうで鼻息は荒い。決してお金のためだけに医療に携わっているわけではないとはいえ、とにかく勤務医だと苦労する割に大して儲からないケースが多いのだ。
さて、本題に戻るが、相談者の雅子は医療業界の敷かれたレールに違和感を抱き、現在、戦略コンサルに転進するか、医療のバックグランドを活かすべく、医療系の投資ファンドに入るか、そもそも医療の世界から飛び出していいものか、悩んでいる。この状況に即し、私から以下のアドバイス/声援を送りたい。
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