「国境なき医師団」の厳しい現実 その活動資金は個人が支える

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2011年の民主化運動を機に内戦状態が続くシリア。すでに戦闘を避けて200万人以上が避難したといわれるが、今も周辺国への避難を望むシリア人の数は増加の一途だ。人道的援助活動はまったく追いついていない。

国境なき医師団(MSF)はシリア政府の「認可」を得られないまま援助活動をしていたが、11年3月に治安悪化で活動をいったん中止したという経緯がある。しかし12年6月にシリア北部の空き家を仮設病院として立ち上げ再スタートした。

現在、シリア北部のトルコ国境近くで3カ所の病院を運営している。12年6月以来、1万件以上の治療、900件以上の外科手術を行っている。麻酔科医として05年からMSFの活動に参加、すでに8回の派遣歴を持つ初雁(はつかり)育介さんは昨年8月末から2週間ほど、このシリアに派遣され、14~15床の小さな病院で診療に従事した。

「運ばれてくる患者はさまざま。市民か軍人か、政府軍か反政府軍かは関係ない。私の出番は麻酔を使った手術を必要とする重傷患者のときだ。多いときは1日十数人が運ばれてくる。しかも爆撃や戦闘が起こるのは、主に夜。夕方から翌朝までが特に忙しい」(初雁さん)

初雁さんを含む外国人スタッフは医師、看護師、ロジスティシャン(物資の手配や搬送など、活動を補助する職員)など含め、入れ替わりはあるが常時8~10人程度。後は現地スタッフだ。コミュニケーションは英語、あるいは通訳を交えての会話だ。

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