9月の連邦議会選挙後も、ドイツはユーロの一員

独有力経済人に聞く欧州債務危機

フランスはユーロ圏第2の経済大国であり、ドイツとの政治的合意に基づいてユーロを支えようと協力してきた。それだけに、足元のフランスの状況はユーロ圏全体に悪影響をおよぼすのではないかと心配している。

 もっとも、ユーロの将来をめぐっては依然、楽観的だ。ユーロ圏を含む欧州全体の世界経済に果たす役割はきわめて重要だ。欧州連合(EU)の経済規模は世界の25%を占める。貿易取引では全体の3分の1。

対外直接投資では41%に達する。ユーロが消滅すれば、欧州だけでなく、世界経済も崩壊するだろう。だからこそ、ユーロを安定化させるとともに再度、活性化させることが重要だ。必要な財務支援を行って改革を継続すれば、ユーロは必ず生き残ることができる。今年秋にインタビューしてもらえば、「復活」の確率は85%~90%、と答えるかもしれない。

仏大統領は軌道修正せざるを得ない

――ルノーの元最高経営責任者(CEO)のルイ・シュヴァイツァー氏はフランス政府の財政再建への取り組みを高く評価しています。

彼は親しい友人の1人だが、同国が困難な状況に直面しているのは事実だ。ただ、フランスは今も豊かな国。民間の保有資産も豊富だし、企業業績もそんなに悪くない。ドイツ政府も強い意志を持ってフランスを支援する意向を表明している。欧州全体が一丸となって協力すれば、(英エコノミスト誌が指摘したような)フランスの「時限爆弾」は爆発しないで済むだろう。

フランス人は非常にプライドが高く、自分の国が破綻するようなことを決して許さないだろう。このため、オランド大統領は最終的に政治的な方向性を変えざるを得なくなると見ている。

――シュミット元西独首相がフランスの雑誌とのインタビューで、以前と比較すると仏独関係が悪化しており、欧州債務危機の問題に悪影響をおよぼすと懸念しています。

確かに昔と比べれば、両国の政治家レベルの関係はよくないかもしれない。でも、一般の国民レベルでは問題ないと思う。それに、政治家も自分たちが協力しなければ、ユーロやEUの終わりにつながることをよく理解している。ユーロやEUのために必要なことはなんでもする、という従来からの姿勢に変わりはない。

仏独両国にはもともと大きく異なる点が多い。フランスは中央集権的だが、ドイツは連邦共和国。政府総収入の対GDP比率はフランスのほうがドイツよりも高い。ドイツの産業界はフランスを輸出先と見ているが、かつてはフランスに対してあまり積極的に投資をしてこなかった。同国政府の関与を気にしていたからだ。

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