9月の連邦議会選挙後も、ドイツはユーロの一員 独有力経済人に聞く欧州債務危機
世論調査によれば、4党の支持率を合計すると全体の約80%に達する。どの政党が多数議席を獲得するかは流動的だが、たとえ、CDU・CSUが第1党の座を明け渡したとしても、ユーロや欧州を支える姿勢は変わらないだろう。野党のSPDや緑の党は「欧州への支援に躊躇している」、あるいは「周辺国にもっと必要な資金を出すべき」などとメルケル首相を攻撃してきたほどだ。
――英国のマーガレット・サッチャー元首相が亡くなりました。
同首相は破綻の危機に瀕していた英国を救った。首相就任直後の同国ではストライキが横行。福祉面での手厚い保護も行き過ぎの感があった。企業業績も伸びず、インフラもほとんど有効に機能していなかった。
そうした「斜陽国」をサッチャー元首相は助けたのだ。同時に、「市場経済」や「競争」という原則を導入することで旧西側諸国全体も救済。結果として多くの遺産を残した。米国のレーガン元大統領とともに、ソビエト消滅でも大きな役割を果たしたと思う。
金融市場を開放したことで、「現在の金融危機の犯人」と批判する向きもあるが、まったくの的外れだ。市場開放と金融危機とはまったく別次元の問題である。いつの時代にも自由市場に反対する人はいるが、最後に成功するシステムは自由市場経済だろう。実際、旧西側諸国は今もそのメリットを享受している。
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