0.4%台へ再低下か上昇か、方向探る長期金利

市場動向を読む(債券・金利)

もっとも、ここ1週間の長期金利は0.60%前後の比較的狭いレンジ内で横ばいに推移している。債券市場は表面上、落ち着きを取り戻した。「余震」はどうやら終息したようだ。日銀が『やや長めの金利上昇に対応』(金融市場局)するとして、1年物・共通担保資金供給オペ(固定金利方式)をたびたびオファーしたり、日銀と市場との対話を緊密化させたりしたことが実を結んだ格好。

債券市場は特に日銀が長期国債買い入れオペの手法を市場の要望を聞き入れて、回数を月6回から月8回に増やし、1回当たりの買い入れ額を減らすなどの手直しを評価した模様だ。国債の流動性枯渇懸念はそれによって和らいでいった。黒田日銀総裁も25日、『現時点ではボラティリティが下がってきていて、次第に安定を取り戻している』と述べ、安堵した様子だった。

出発点に戻って仕切り直し、新たな水準探る

さて、“0.60%”という心理的な節目は、債券市場が3月中に長期国債の大規模購入という異次元緩和を本格的に織り込み始めたときのレベルに相当する。債券市場はいわば出発点に戻って仕切り直し、長期金利の次なる水準感と方向感を探っている格好だ。

債券市場が異次元緩和の影響について、日銀と民間投資家の国債争奪戦によってやはり超・需給相場が現実化するとの見方を改めて抱くなら、長期金利は民間投資家の買い出動を受けて例えば0.40%台へと再低下し、低位安定していくことになるだろう。

逆に、民間投資家が国債争奪戦の不戦敗を決め込み、例えば外国債やリスク性資産へと運用対象をシフトさせる動きを活発化させるなら(それをポートフォリオ・リバランスという)、長期金利は、それほどは下がらないだろう。いずれにせよ、例年と同様に連休明け後から本格化すると見られる今年度運用計画に基づく投資家動向から目が離せない。

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