物価上昇2%達成で、日銀政策委員に温度差 展望リポートの記述に2人の委員が反対

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注目の展望レポートでは14年度物価見通しが前年度比1.4%に(撮影: 尾形 文繁)

4月4日の金融緩和策で「現時点で必要な政策をすべて講じた」(黒田東彦総裁)と断言していたこともあり、26日に行われた日銀金融政策決定会合では現状維持が全員一致で決まった。今回の会合で注目されていたのは、「経済・物価情勢の展望(展望リポート、4月と10月に公表)」でどのような物価の見通しが打ち出されるかだった。

今年1月時点で2014年度の物価見通しは前年度比プラス0.9%だったものが、今回は一気に1.4%まで上方修正された。また、従来は翌々年度の物価見通しを10月の展望リポートで示していたが、これを半年前倒し、今回のレポートで15年度の物価見通しを掲載。前年度比1.9%とした。まさに、「2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に(物価安定目標2%を)実現する」と4日に決めた大目標に沿う形である。

昨年4月、白川方明総裁の下で公表された展望リポートは17ページあったが、今回はわずか8ページ。「とにかく分かり安さを追求し、重複した表現をなくすことに努めた」(日銀)という結果、ページ数も少なくなったという。これは「端的な政策運営」を重視する黒田体制の下での大きな変化だろう。

次ページ展望レポートのページ数は少なくなったが…
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