キャリアチェンジに成功する人の「共通点」 安倍政権下で加速する、正社員雇用の流動化

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取材したDさん(35歳)は、エンジニアから経営コンサルタントへキャリアチェンジをしましたが、決心するまでには、相当な勇気が必要で、ストレスも感じたそうです。ゆえに

「慣れ親しんだ環境の中で、このまま過ごしたほうが楽ではないか?」

とキャリアチェンジを踏みとどまらせようとする自分がいたそうです。一方で、エンジニアとしての40歳以降のキャリアに不安を感じていたとのこと。さらに職場の人間関係における閉塞感があり、覚悟を決めて転職を決意したのだそうです。

「自分の人生に後悔するのが嫌だという気持ちが高まって、背中を押してくれました」

と当時のことを語ってくれました。

キャリアチェンジ成功者に共通するスキル

望む、望まないにかかわらず、キャリアチェンジが多くの人にとって、より身近な時代になるのは間違いありません。

では、もしキャリアチェンジをするとして、それを成功させるにどうしたらいいのでしょうか?転職関係の専門サイトなどにも情報は多く掲載されていますが、ここではあえて1つだけ書かせていただきます。

それはポータブルなスキルを備えておくことです。ポータブルスキルとは「持ち運びできるスキル」、いわゆる、あらゆる企業・業種でも通用する汎用的なスキルのこと。ポータブルスキルには2種類あり、英語力や簿記などの専門的知識が必要となるテクニカルな部分と、資格化が難しい洞察力や判断力、リーダーシップなどのヒューマンな部分があります。

一般的にはテクニカルな部分こそ、キャリアチェンジを有利にすると言われます。しかし、ヒューマンスキルを高めておくことこそキャリアチェンジに有効だと私は考えます。

ただ、一口にヒューマンスキルと言っても、そこに含まれる要素は幅広いものがあります。そもそもキャリアチェンジを実現し、成功している人について観察してみると、

・コミュニケーション
 ・マネジメント
 ・プレゼンテーション
 ・協調性

に優れた人物が大半です。

さらに言えば、マネジメント力に対する期待が高まっています。マネジメントとは、組織の資源である人材を束ね、最大の価値(業績)を生み出すこと。それは、本人の専門性に裏付けられたマネジメントでなくてもいいのです。例えば

《高いマネジメント力によって、専門性の高い技術職を管理できるマネジャー》

は、必ずしも現場の経験が豊富でなくても構いません。むしろ、現場の経験が邪魔しないことが有利に働くこともあります。

キャリアチェンジはある日突然、やってくるかもしれません。その日のためにも、日ごろからマネジメントスキルを磨くことを心掛けてはいかがでしょうか。

 

 

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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