健康保険法から見た柔道整復師とは? あなたにも出来る!社労士合格体験記(第69回)
しかし、整骨院や接骨院で骨折、脱臼、打撲および捻挫(肉ばなれを含む)の施術を受けた場合は、原則、健康保険の対象になります。この場合に支給されるのは「療養の給付」ではなく「療養費」です。医師の治療ではないので、施術という言葉を使うことにも気をつけましょう。
「療養費」は、本来、患者が費用の全額を支払った後、自ら保険者へ請求を行い支給を受ける「償還払い」が原則です。しかし、柔道整復については、例外的な取り扱いとして、患者が自己負担分を柔道整復師に支払い、柔道整復師が患者に代わって残りの費用を保険者に請求する「受領委任」という方法が認められています。
そのため、多くの整骨院・接骨院等の窓口では、病院・診療所にかかったときと同じように自己負担分のみ支払うことにより、施術を受けることができます。
社労士試験では通達に注意
柔道整復師について、過去問題から2つ紹介しましょう。「被保険者が柔道整復師の施術を受ける必要があるときは、療養費が支給される」、〇か×か?これは基本問題で〇ですね。ただし、被扶養者が柔道整復師の手当てを受ける必要があるときは、被保険者に「家族療養費」が支給されるので注意して下さい。
また、単なる肩こり、腰痛などに対する施術は保険の対象にならないこと。脱臼または骨折(不全骨折を含む)に対する施術については、医師の同意を得たものでなければならないこと。応急手当てをする場合は医師の同意は必要ないが、応急手当て後の施術は医師の同意が必要であること、などの通達を押さえておくとよいでしょう。
もうひとつは「柔道整復師が保険医療機関に入院中の患者の後療を医師から依頼された場合の施術は、当該保険医療機関に往療した場合、患者が施術所に出向いてきた場合のいずれであっても、療養費の支給対象とはならない」、〇か×か?この問題のポイントは、保険医療機関(病院、診療所など)で同じ負傷等の治療中は、施術を受けても保険等の対象にならないという通達で、やはり〇です。
整復・固定・施療の後に行われる「後療」や、訪問治療の「往療」が、療養費の支給対象にならないということではありませんので、これらの言葉に惑わされないことが肝要です。
次回は、後輩がニューヨークから凱旋ツアーにやってきます。
(撮影:尾形文繁、吉野純治)
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