マックバカの体にはケチャップが流れている

OB・丸山鉄二氏に聞く(上)

――何を学んだのでしょうか

店は自分一人で運営できない。忙しい中で、どう社員に権限を任せるか、マネジメントをできる部下を育てるかがポイントになります。それには権限委譲が必要です。権限委譲というと8割の人は丸投げと勘違いしている。自分ができないことを任せてはいけない。自分ができることを任せるというのがルール1です。そして相手ができなかったら、一緒にやって見本を見せる。これがルール2。そしてルール3はこれをひたすら繰り返す。

――大型店の店長を経て、店舗統括のスーパーバイザー(SV)になりました

SVになって、岡山や広島を担当しました。その後、マクドナルドが小型店による出店戦略を打ち出しました。マクドナルド全体で450店舗を出した年もある。今まで見向きもしなかった小商圏でも人口が3万人以上あったら出店しましょうということで、岡山県内のあちこちのスーパーの中に出店しました。

岡山である程度、出店したら、今度は「四国攻め」です。会社が「お前行ってこい」と言ったら「ハイ、わかりました!」と言って行ってくる。出店する地域には銀行もなくて、信金の人が毎朝集金に来てくれるぐらいローカルな地域でした。物件を見に高知県の四万十川まで行ったら、河口からクジラが見えたなんてこともあった(笑)。

「藤田田教」の布教へどこまでも!

――マクドナルドを広めるために、どこへでも行ったわけですね。

僕がいた頃、ハンバーガーはまだ珍しい食べ物でした。新しい文化を売っている感じがありました。その土地に1店舗もないところに出店することも多く、「何月何日、どこそこスーパーの中にマクドナルドの新店がオープンします」と町内放送されるなんていうこともあったくらいです。

社員は創業者の藤田田さんの名前をとって「藤田田教」とみんな言っていました。藤田田のためではないけれど、マクドナルドを地方に出して、面白さやよさを広めようと純粋に信じていました。よく「俺たちマックバカの体には血じゃなくて、ケチャップが流れている」なんて言ったものです。

――その後はマックバカ総本山の研修施設“ハンバーガー大学”に異動しています。

大阪の地区本部で店長や社員の研修を担当しました。マックは全国的に拡大していましたが、意外と地域によってお客様の対応は変えなければならないこともあります。

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