東電、家庭向け新料金は“批判かわし"か 戦略的要素は薄い
会見した東電常務カスタマーサービス・カンパニープレジデント(4月の社内カンパニー制で生まれた電力小売り会社の社長)の山崎剛氏は、今回の4プラン追加によって、「ライフスタイルに合った電気料金の選択ができるようになり、顧客に電気により関心を持ってもらえることに期待している」と話す。
顧客のメニュー選びを助けるために、ホームページに過去2年分の毎月の電気使用量と料金が一覧で確認でき、メニュー変更時の試算ができる新しいコンテンツとして「でんき家計簿」(会員登録無料)を導入。さらに、顧客の自宅に測定器を一週間程度設置して電気の使用状況を記録し、最適な料金メニューを提案する「訪問コンサルト」というサービスも開始する。
新プランの潜在需要や導入目標、先が読めない
一方、東電の経営に与える効果について東電執行役員同カンパニーバイスプレジデントの佐藤梨江子氏は、「短期的には減収要因だが、長い目で見れば、発電効率の向上を通じてコストダウンに寄与する」と言う。ただ、新プランの潜在需要や導入目標については、「時間ごとの電気の使用状況を把握していないので想定は難しい。顧客へのコンサルティングを通じて見極めていく」(佐藤氏)としており、まったく先が読めない状況だ。
そもそも今回の新プラン導入の背景には、昨年の電気料金値上げ申請を受けた政府の査定において、料金メニューの乏しさを指摘され、値上げ後も「現状のメニューではメリットが少ない。もっと選択肢を増やしてほしいという顧客の声が2万件近くに及んだ」(同)ことがある。戦略的な施策というより、むしろ世間からの批判への対応という性格が強い。
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