東電、家庭向け新料金は“批判かわし"か 戦略的要素は薄い

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「顧客にいまひとつ寄り添ってはいなかった」

山崎氏は、「これまでは決められた規制の料金制度で、決められた顧客に安定供給することを第一義としてきたため、顧客にいまひとつ寄り添ってはいなかった」と反省しつつ、「将来の(電力小売りの)全面自由化に向けて、さらなるメニュー充実を図る。スマートメーターが普及すれば、提案力もさらに向上する」と、電力自由化を見据えた対応強化にも言及した。来年中の導入に向け、太陽光など再生可能エネルギーを選択できるグリーン料金メニューの仕組みづくりも検討したいという。

ただ、現状はまだまだ家庭などの電力小売りは地域独占状態にあり、実際のところ、競争意識や顧客第一主義がどこまで自分のものになっているかは疑問。とりあえずは新メニュー導入で高まる批判を抑え、走りながら経営への影響や次の策を考えていくというのが実情といえよう。

中村 稔 東洋経済 編集委員
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