32歳高年収女子は「高飛車女」と判定された! 東京カレンダー「崖っぷち結婚相談所」<4>
「それに、ブランド物で全身固めていたそうじゃないですか。お洒落をするのは良いですが、全身ブランド物はやめてください」
「金のチェーンネックレスと金の腕時計をして、エルメスのセカンドバックを持った不動産業の男性を想像して下さい。男にとって、ブランド物で固めた女性は、そのような男性と同じ印象を持つんです。過度なブランド物は、男性を攻撃する武器のようなものです」
杏子は、怒りを通り越して、悲しくなった。あの日は張り切ってキメたつもりであったが、自分は金ピカのナルシストで高飛車女に見えていたのだろうか。
恋愛に重要だという、EQとは?
「杏子さん、僕の意見は多少キツく聞こえるかも知れませんが、どうぞ真摯に受け止め、今後に改善に努めてください。目標は結婚です。最近はキャリア志向の女性を好む男性も多く、知的さは長所の一つになり得る。しかし、一番大事なのはEQです」
「EQ……?」
「はい、IQではなくEQ。Emotional Intelligence Quotient、心の知能指数という意味です。相手の感情状態を察し、理解する能力、そして自分の感情も上手くコントロールする。これは恋愛に於いて最も大事なスキルとも言えます。しっかりと勉強しておいて下さい。」
「へぇ……」
「身近でモテる女性がいれば、そういった方から学ぶのも一つの手段です。また、杏子さんは男性慣れしていない。悪いことではありませんが、今後のために、ご自身でも男性と接する機会を積極的に設けてください。場数を踏んで、一緒に頑張りましょう」
うなだれた杏子に、最後に直人は目を見張るほどの煌めく笑顔を見せた。散々ダメ出しをされていただけに、そのギャップに驚き、胸が違う意味で音を立てた気がした。
「あ、ちなみに杏子さん、髪の色はいい感じです。しかし、ピンクは流石に似合わないですね。パープル、ベージュ、水色系が良いと思うので、その辺お気をつけください」。去り際、直人はまたしてもサクっとダメ出しをし、杏子は再び肩を落とした。
――次回、杏子はいわゆる「お食事会」参加を試みる……?!
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