"おいしさ"追求でロイヤルホストが復活 脱・低価格路線で客単価は過去最高へ

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注文皿数、伸びる

主力メニューを強化する一方で、88円のサラダや120円のコーヒーゼリーなど低価格な一品メニューを増やした。矢崎が社長に就任する前と比べて、1皿の平均価格は約600円から12年末には587円まで下がった。その分、客1人当たりの注文皿数は1.8皿から2皿まで伸び、客単価も1040円から過去最高の1170円まで上昇した。

ロイヤルホストの主要顧客層はある程度、時間やおカネに余裕のある40代の女性。メニュー品質を引き上げた結果、注文数が増えて、売り上げ増加につながった。提供時間や盛りつけについて多かったクレームも12年は前年比で30%減らすことに成功した。

ロイヤルホストはこの好調さを維持できるか

13年は「挑戦の1年」として成長戦略に舵を切る。目玉は厨房設備の改装だ。揚げ物を作るフライヤーやオーブンを自動化することで、品質の均一化とコックがオムライスやハンバーグなどフライパンの調理に集中させることを狙う。12年に13店舗の改装にとどまったが、13年は80店舗近くの改装を予定する。年内には全店舗に喫煙ブースを設置し、客席は全面禁煙にする。3月30日は八王子に新たなモデルのロイヤルホストを出店。実に5年ぶりの新店となった。

ただ、既存店売上高が底を打ったのは、2年連続の客単価上昇による部分が大きく、客数の減少にはまだ歯止めがかかっていない。矢崎も「おそらく客単価1200円の壁があるだろう」と危機感を募らせる。対策として今年3月から実施している「ハンバーグ&シーフードフェア」で「11 種野菜の自家製テリーヌ」や「ふわふわ赤ピーマンのムース」など凝った前菜メニューを充実させる。しかし、来年にも消費増税が控える中、この好循環を維持できるかどうかが課題といえそうだ。

(撮影:今 祥雄)

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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