北朝鮮ミサイル騒動後の、驚天動地の結末とは インテリジェンスのプロ、原田武夫氏が大胆分析

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アメリカと最初に手を握ったがゆえに、欧州(特にフランス)の逆鱗に触れてものの見事に潰されてしまった哀れなリビア・カダフィ一族の惨劇を目の当たりにした北朝鮮・金一族は、明らかにアメリカとの手打ちを後回しにしてきた。

次々に「おいしいところ」を北朝鮮においてつまんでいく欧州各国の姿を見て、地団太踏んでいたのはアメリカのほうなのである。そして今、北朝鮮は「最後にそれではお前に分け前を上げよう」とばかりに「核ミサイル=原子力+ミサイル」でアメリカを挑発し、煩悶させ始めたというわけなのである。

それでは北朝鮮はなぜこのタイミングを選んだのか。紙幅の都合上、詳しく書くことはできないが、私はそれが国際調査ジャーナリスト協会(ICIJ)により、今月4日から全世界の38のメディアを通じてリークされ始めた「オフショアマーケットにおける富裕層の不正蓄財」の実態と関係していると見ている。昨年10月ごろより、これまではタックスヘイヴンの守護神のような存在であったイギリスが突然、態度を変え、そこで蓄積されている顧客情報の開示へと動き始めている。今回のリーク報道は正にこれに拍車をかけるものであり、世界中の富裕層たちは恐れおののき、「これまでのタックスヘイヴンが駄目ならば、次はいったいどこにマネーを預ければいいのか」と、血眼になりながら資本の逃避をし始めているのだ。

マネーの行き先としての北朝鮮

実はここで出て来るのが北朝鮮なのである。次なる「安全なオフショアマーケット」が西側諸国であることはもはやありえない。なぜならばそこでは銀行の守秘義務がもはや無意味なものとされていくからである。そうであると残るのはただひとつ、「共産圏」なのである。しかも運用実績を持つ「共産主義国」でなければならないというわけなのだ。

この意味でトップクラスに躍り出るのが、ひとつには北朝鮮というわけなのである。なぜか? その理由は金王朝の「王子」たちがいずれもどこの国のインターナショナルスクールに預けられていたのかを思い出せばわかるのである。東南アジア諸国を中心とした閥族集団たちは北朝鮮に資金を預けており、これを運用すべく、あの「金正男」を中心とするエリート集団たちはウィーンやパリ、そしてスイスを頻繁に訪れている。だからこそ金融大国「スイス」はこれら王子たちを預かり、かつODAを用いて平壌にMBA(経営学修士号)スクールまで設立・運営してきたのである。

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