北朝鮮ミサイル騒動後の、驚天動地の結末とは インテリジェンスのプロ、原田武夫氏が大胆分析

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

それよりも何よりも、北朝鮮とはわが国の無垢な一般市民を拉致した「極悪非道な国家」なのだ。しかも国際ルールを完全に無視し、核開発を続けるわ、はたまた長距離ミサイルでアメリカすら恫喝するわで、実にとんでもない国家だというわけである。2003年1月に外務省北東アジア課への転属を命じられ、「北朝鮮班長(課長補佐)」に着任し、仕事を始めるまでは私もそう思い込んでいた。

北朝鮮の驚くべき戦略とは?

だが、その後、2年余りにわたって対北朝鮮外交に携わり、日本政府代表団の一員として平壌を訪問する中で、徐々にそうした印象は変わっていったのである。そしてその印象はますます鮮明なものと成り続けており、このたび刊行した拙著最新刊『「日本バブル」の正体~なぜ世界のマネーは日本に向かうのか』でも、北朝鮮の最新動向をめぐる周辺諸国をも巻き込んだ驚くべきグランド・ストラテジー(大戦略)について書いた次第である。むろん、状況は日々着実に変わってきており、この最新刊の上梓を契機に行う「新刊記念講演会」では、そうした最新動向も含め、私なりの分析をご披露するつもりである。

それではなぜ北朝鮮が、私にとって国際場裏の“真実”に向けた扉を開け放つことになったのか。前回(リンク先はこちら)、私はこのコラムにおいていわゆる「シェール革命」がアメリカによる“高貴な嘘”であると断じた。高度に政治的な理由でやむをえずエリートたちが堂々とウソをついているというわけであるが、実は北朝鮮についても私は気づいたのである。それをめぐる一連のストーリーが“高貴な嘘”である、と。

次ページあの爆破事故は、故・金正日総書記を狙っていなかった?
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事