「ポケGOプラス」で加速する錬金術の仕組み 「タマゴの9連ガチャ」が日本中で回される!?

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この「一定の距離」のカウントには「ポケモンGO」アプリの常時起動が必要となり、さらにクルマや電車での移動時はカウントがされないので、「ポケモンGO」を立ち上げたまま1日何キロも歩けない人はあまりタマゴをかえせませんでした。

つまり、忙しいビジネスパーソンほど、この課金を利用することができなかったわけです。「払いたいのに払えない」、そんなジレンマが存在していたわけです。

目を覚ました「ふかそうち」システム

オレンジ色以外の「ふかそうち」は有料

さて、ここで注目すべきは9月14日に発表された「Pokemon GO Plus」の追加仕様です。ポケモンGOがバックグラウンドで動作している間も、タマゴをかえすことや、相棒のポケモンのアメをもらうために必要な、“歩いた距離”が反映されるようになったのです。

「Pokemon GO Plus」自体についての詳しい説明は、本日ネット中にあふれているでしょうから割愛させていただきますが、ざっくり説明しますと「Pokemon GO Plus」の機能は以下のとおりとなります。

・ポケモンの登場を知らせる

・ポケモンを捕まえる

・ポケストップへの到着を知らせる

・ポケストップからアイテムを入手する

そして、これらの機能を利用した結果をアプリ内の「ぼうけんノート」で確認できるのが「Pokemon GO Plus」の機能だったわけですが、これらに加え以下が追加されたわけです。

・アプリを立ち上げなくても”歩いた距離”がカウントされる

簡単に言えば、「3回1000円の9連ガチャを忙しい人でも回し放題」になったわけです。たとえば、僕の場合ですと、大体1日10キロくらいは歩いているので、3日で2000円の課金が「できる」ようになります(すべてのタマゴが平均5キロでかえる場合)。

しかも、すでにポケモンGOをやりこんでいる人はわかると思うのですが、野生のポケモンより、タマゴから生まれるポケモンのほうが性能がよいことが多く、また野生のポケモンは地域差があることから、ポケモンを全種類ゲットしてコンプリートするには「ふかそうち」での孵化が最も効率がよい手段となります。

今までは、「強いポケモンを入手したい」「ポケモン図鑑をコンプリートしたい」というこのゲームの最も強い2つの衝動に対して課金の仕組みはもうけられていたものの、「アプリを立ち上げっぱなしでないと利用できない」という足かせがありました。それらが「Pokemon GO Plus」の登場でついに解き放たれるのです。

もともとは「Apple Watch」版のポケモンGOでしかできないだろうと言われていたこの機能、ナイアンティックや任天堂は売り上げが増加してニッコリ、プレーヤーも3500円で待望の機能が手に入りニッコリ、アップルだけがガッカリしているのかもしれません。

「Pokemon GO Plus」発売後のアプリの売り上げをぜひ注視してみてください。

世永 玲生 GMOインターネット特命担当、ゲームデザイナー

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よなが れお / Reo Yonaga

ソニー・ミュージックエンタテインメント、セガ、キューエンターテインメントを経て2010年から現職。2009年に自身が企画した「Matrix Music Pad」がアップルの年間ベストアプリに選出されるなどの実績を持つ。英App Annieが選ぶ日本のTOP10デベロッパーに個人チームで唯一選出される。鈴木みそのマンガ「ナナのリテラシー」に登場する天才ITコンサルタント山田甚五郎のモデル。元ファミ通殿堂入りゲームデザイナーの視点からの各種分析記事には定評がある。※記事は筆者の個人的見解であり、所属組織を代表するものではありません

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