スポーツオーソリティ、「日本好調」の理由 米本社は今年3月に経営破綻したが・・・

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日本のスポーツ用品小売り業界は、アルペン(2016年6月期の売上高2236億円、営業利益31億円)とゼビオホールディングス(2016年3月期の売上高2213億円、営業利益61億円)の2強が断トツ。

3番手のヒマラヤ(2015年8月期の売上高723億円、営業利益23億円)に、メガスポーツは肉薄する(2016年2月期の売上高684億円、営業利益16億円)。

足元でヒマラヤは苦戦している。2017年8月期に、過去最多となる13の不採算店を閉鎖する。スキー用品や冬物重衣料といった主力の冬物商品が暖冬で落ち込んだことに加え、春夏物も不調で値引き販売を迫られたからだ。

専門性を強めた店作りに強み

しかし、メガスポーツは冬物商品への依存度が低く、春夏物で値引き販売を迫られることもなかった。キャンプ用品やランニング用品が売り上げの伸びを牽引する。これらはヒマラヤやアルペン、ゼビオでも好調だが、メガスポーツは売り上げに占めるウエートが高い。

カギは、思い切った品揃えと、専門性を強めた店作りにある。

メガスポーツの神谷社長は、2015年5月にトップ就任後、商品の見直しに着手。人気のアンダーアーマー商品(機能性の高い着圧ウエア)やアウトドア商品を充実させた。

続いて強化したのが、新業態作りだ。神谷社長は「(商品が)何でもあるから売れる時代ではない。何かテーマを決めて店を出していく」と語る。

出店を加速している50坪の小型店業態「コーナーズ」

象徴的なのが、新業態「コーナーズ スポーツオーソリティ」の出店加速だ。日常生活で着用する、ファッション性の高いスニーカーや衣料を中心に扱い、それらの販売が好調だ。

今年2月に5店だったコーナーズは8月までに16店へ増やした。アシックスのスニーカー「ゲルライトⅢ」など、これまでスポーツ量販店ではあまり置かれてこなかった商品をそろえているのが強みだ。客単価はオーソリティのほぼ倍になっているという。

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