ルネサスが3200億円の大勝負に賭けるワケ

米半導体インターシルを狙った背景は?

「いたずらに規模の拡大を目指すM&Aは評価しない」。市場シェアを重視した戦略を指揮する呉文精CEO (撮影:風間仁一郎)

反転攻勢に向けた一手となるのか――。

自動車用半導体世界大手のルネサスエレクトロニクスが、米半導体会社のインターシルを買収すると9月13日に発表した。買収金額は約3219億円で、資金はすべて手元資金によってまかなう(2015年度末時点の現金及び預金は3986億円)。

今後、インターシルの株主総会での合併承認などを経て、2017年1~6月期中には買収を完了させる予定だ。

売上高は5.2億ドル、主要顧客も重ならない

ルネサスは官製ファンドの産業革新機構のもとで固定費削減など構造改革を進め、2014年度には発足以来初の最終黒字化を達成した。

一方、不採算製品からの撤退を進めたことで売上高は発足当初の1兆1379億円(2010年度)から6933億円へと大幅に減少している。体質改善こそ成し遂げたが、いかにして売上高を拡大し、再び成長軌道を描くかが新たな課題となっていた。

インターシルは米情報通信機器大手のハリスコーポレーションから1999年に分社して設立。特に、電力の制御を行う「アナログ&パワー半導体」と呼ばれる分野に強みを持つ。昨年度の売上高は5.2億ドル。売上高の35%が産業機器向けの半導体で、次に多いのが家電など民生機器(18%)。航空宇宙や防衛分野の製品も扱う。主要顧客は米国のマイクロソフト、オラクル、グーグル、中国の通信機器大手ファーウェイなどだ。

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