日本電産、過去最大買収の先に見据えるもの

約50件のM&Aを成功させた永守流の秘訣は?

都内で開いた記者会見、永守重信・日本電産会長は大型買収に自信を見せた

7月22日に開いた2016年4~6月期の決算説明会。日本電産の永守重信・会長兼社長は「昨年は価格が高くて買収を見送った企業も含め、今年は非常に良い買い物ができる」と述べていた。

その日本電産が早速、大型買収に打って出た。

産業用や商業用事業の拡大を狙う

日本電産は8月2日、アメリカの電気・電子機器メーカーのエマソン・エレクトリックからモータ・ドライブ事業と発電機事業を買収すると発表した。取得価格は約1200億円で、同社にとって過去最大規模の買収となる。

2つの事業の業績は2015年9月期で売上高が約1674億円(前期は1989億円)、EBITDA(減価償却前利益)が約175億円(同260億円)と減収減益だった。

「欧州のマーケットが悪化しているだけでシェアが低下しているわけではない。底を打ってこれから回復していくので、非常に良いタイミングで買収できた」(永守会長)。

これまで日本電産の業績を牽引してきたのは、パソコンなどに搭載されるHDD用の精密小型モーターだったが、パソコン市場が縮小傾向に入ったことを受けて、事業構造の転換を進めてきた。

現在、新たな注力分野として位置づけているのは「車載」と「家電・商業・産業用」の2分野だ。2016年3月期、両事業の売上高は合計5547億円となっている。

直近の受注状況から考えれば、仮に買収を行わなくても、両事業の売上高は2020年度までに合計1兆円に到達すると見られていた。

今回、買収するエマソン・エレクトリックの事業は、低圧モーターや低圧・中圧発電機を手掛けており、日本電産の製品と補完関係にある。

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