日本電産、過去最大買収の先に見据えるもの 約50件のM&Aを成功させた永守流の秘訣は?

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顧客として米ゼネラルエレクトリックや仏ミシュランなどを抱えており、注力分野を拡大させるための顧客基盤を手に入れたことになる。永守会長は「今回の事業買収によって、地理的・製品的なパズルがおおよそ埋まった」と宣言する。

2020年度、売上高2兆円への布石

約50件のM&Aについて一度も失敗したことがないという永守氏。会見ではその秘訣を問う質問も出た

日本電産は、これまでに約50件の買収を手掛けて、拡大戦略を進めてきた。

永守会長は、買収を立て続けに成功させてきた秘訣について、会見で問われるとこう答えた。

「絶妙のタイミングで買収することだ。特に価格は我慢して待たなければならない。前回、積極的に買収を行ったのはリーマン・ショックの前後。あのときも円高でバリエーション(買収時の企業価値)が下がった。いくら良い事業でも、高い値段で買ってしまえば15%以上の営業利益率を達成しにくくなる」(永守会長)。

今回、エマソン・エレクトリックから買収した2事業は、売上高だけでなく従業員数も9703人と過去最大級の規模となる。

日本電産の前期の売上高は1兆1782億円、2020年度に売上高2兆円を目指す同社にとって、この買収は重要な布石となっている。買収では「一度も失敗していない」という永守会長だが、今回も過去同様に成果を上げることができるのか。

(撮影:今井康一)

東出 拓己 東洋経済 記者

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ひがしで たくみ / Takumi Higashide

半導体、電子部品業界を担当

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