また、当然だが、額も異次元。今の2倍はともかく、今後、新発国債発行額の7割を日銀が買うことになる。新発債を直接買うわけではないが、市場に出てきたものの7割を日銀が買ってしまうのだから、民間金融機関で満期が来た国債をロールオーバーする金融機関もあるから、そうなると、新しい国債は新しい買い手にはまったく出回らないことになる。ロールオーバーも難しくなるだろう。
2つ目のサプライズは、一気に一発で玉を打ち尽くしたところだ。逐次投入はしない。「現在やるべきと思われるものはすべてやった」という、黒田総裁の言葉通りのものだった。これがマーケットインパクトを与えた。
政策決定会合の前から、発表内容は決まっていた
しかし、何より、一番驚いたのが、5人の審議委員だ。これまで、ずっとやらなかったものを、総裁が変わったらあっさり賛成するというのは、どういうことなのだろうか。木内委員以外は説明がつかないのではないか。審議委員は要らない、総裁一人いればいい、ということなのだろうか。
さらに驚いたのが、黒田氏が説明に使ったパネルが多種多様だったことだ。準備万端。普通は準備万端ではいけない。なぜなら、直前まで、議論を尽くした上で、すぐに採決、発表するから、パネルを準備するヒマが普通はないはずなのだ。ということは、実質昨日の時点で、4日に発表するモノは決まっていたということだ。
もちろん、根回しもいろいろあるだろうが、この建前は守らないと、政策決定会合の意味がなくなる。ウォールストリートジャーナルで、「初会合で全員を説得した黒田総裁」という記事が出ているが、間違いだ。彼らは、会合の前に説得された。しかも、黒田氏にではなく、事務方に、だ。さらに言えば、説得など必要ない。総裁と世論の言いなりになる委員だから、いかなる場合でも説得する必要はないのだ。これが、三番目の最大のサプライズだ。
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