米陸軍が太平洋地域に「集中」しているワケ 世界トップ10陸軍のうち6つが駐留

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米軍はパートナー国と旅団を交換するなど共同で訓練をしているほか、戦闘装備もパートナー国に提供している。実際、日本では、自然災害やその他の不測の事態に際して迅速に物資を送り届けるため、米軍は船舶100隻以上を使用可能な状態にしている。

装備の使用訓練のほかに、兵站(へいたん)能力の向上にも努めている。さらに戦術の進化にも取り組んでいる。たとえばハワイでは、米兵はロボットとともに編隊を組んでの戦闘訓練を実施。マレーシアでは無人空中システムについて2カ国語での訓練が行われている。

各地域で過酷な訓練を実施

太平洋地域では、困難な環境下での戦闘能力向上に向けた訓練も進められている。たとえばアラスカでは、極寒の気候下でも戦闘能力を高めるべく演習を実施。ハワイとマレーシアの訓練では、ジャングルでの軍事演習も行っている。

米陸軍には広範な任務と責任があり、ハワイから北東アジア、アラスカに至るまで、米国は太平洋地域で安全保障の礎を築いている。そのために重要となるのが、近隣国とのパートナーシップなのである。

エリック・K・ファニング 米陸軍長官

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1968年米ミシガン州出身。空軍次官、海軍次官代理、カーター国防長官の首席補佐官などを歴任。2016年6月から現職

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