「レールガン」とは一体どのような兵器なのか 200キロ先へ弾丸を飛ばす電磁兵器の威力

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レールガンは「電力」と「ローレンツ力」と呼ばれる原理によって弾を撃ち出す(写真:Official U.S. Navy Page)

「レールガン」がにわかに注目を集めている。「防衛省が平成29年度予算案の概算要求に電磁レールガンの開発関連経費を盛り込むことを21日までに決めた」との報道があったためだ(2016年8月22日付の産経ニュース)。

肝心の平成29年度概算要求文書はまだ公開されていないため、実際に予算に組み込まれているかどうかはわからない。しかし、すでに陸上装備研究所では電力供給システムや電磁レールガン本体に関するシミュレーションなどの取り組みを進めている。これらは実現可能性を探るためのもので、まだ開発して装備化すると確定しているわけではないが、防衛省がレールガンに強い関心を持っていることは間違いない。

それにしても「レールガン」という兵器は、一般の読者にとっては比較的なじみの薄い言葉だろう。いったい、この電磁レールガンとは何者で、どういった可能性が考えられるのだろうか。

装薬を使わずに弾を撃つ

ちなみに、英語圏では「EM(Electro Magnetic=電磁) railgun」という書き方をすることが多い。日本語訳すると、電磁レールガンだ。ただし、これでは長くなってしまうので、本稿では以降、単に「レールガン」と書くことにする。

一般に「ガン」というと、拳銃・小銃・機関銃から、大きいところでは戦艦の主砲に至る武器を指す。いずれも、「装薬」と呼ばれる一種の火薬を燃焼させて、それによって発生した燃焼ガスのエネルギーによって弾を撃ち出す。

それに対して、レールガンは装薬を使わない。代わりに使うのは、「電力」と「ローレンツ力」と呼ばれる原理である。「砲身」に相当するのは、導電性を持つ素材で造られた2本のレールだ。その2本のレールの間に「弾」を挟んで接触させるのだが、その弾の方も導電性を持っている必要がある。

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