「米国横断4000kmレース」知られざる全貌 往年のフェアレディZで参戦してみた

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昨年に引き続き、今年も国産車で出場することに。グレートレースの参加資格は、1972年以前に作られたクルマであること。昨年は日産 スカイライン 2000GT-Rだったが、今年はアメリカ人も大好きなダッツン 240Z(日産 フェアレディZ)。しかも、アメリカでルーフカットされたロードスタースタイルだから、観客ウケは間違いない。

グレートレースとは?

参加台数は120台。スカラーシップの学生チームがいるあたり、アメリカらしい。スタート地点となったサンラフェルでは、メインストリートを閉鎖して、参加車両の展示スペースとし、多くの市民がクルマ見物を楽しんでいる。周辺のカーガイたちも自慢の愛車で駆けつける。実は、同じような光景を行く先々で見ることができる。それもまたクルマ好きにとっては、大きな楽しみのひとつ。

参加者は派手なコールとともに、およそ1分間隔でスタートしていく。装備品は実にシンプル。オーガナイザー支給のアナログマイル速度計と大きめのアナログ時計を予めクルマにセット(これが大事)しておき、備え付けの速度計や回転計は全て隠して、挑む。もちろん、ラリーコンピューターの類は一切使用禁止。どころか、スマホや携帯電話、カメラ(望遠として使える)の使用も許されない。頼りは、支給されたルートマップと、アナログ時計、アナログメーター、腕時計1本のみ。

ルートマップには、コマ地図とスタート指定時間、指定所用時間、指定平均速度などが、こと細かに記されている。一見まるで暗号表だが、2、3日もあれば慣れてくるから不思議。問題は、日に4、5ステージ用意された、リライアビリティ・テスト競技だ。

これは、とある目印(たいてい交通標識やストリート名の看板だが、小さくて見落とすことも)からとある目印までをコマ図に指定された幾つもの平均速度で正確に走るという競技なのだが、あらかじめ決められたスタート時間を守って出発した後は、その先どこで計測されているかがまるで分からないため、何があろうとも常に指定された平均速度をキープし続けなくてはならない。

しかも、指定速度はめまぐるしく変わり、その変わり方も、目印から区間秒数指定まで、実に様々。容易に想像がつくことだけれど、公道を走っているわけだから、信号もあれば、坂道もカーブも曲がり角もあって、同じ速度を維持することは、いかに広いアメリカといえども難しい。

そこで、ロスタイムやロスしなかったタイムを常にナビが計算しながら、次の平均速度を上げ下げしたり、一旦停止時間を調整したり、といった刻々の計算作業が必要になってくる。もちろん、その間、ドライバーは速度計と目印に集中して、ナビの指示通りに運転するわけだから、お互い、美しい景色を楽しんでいる暇などほとんどない!

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