就活で企業の「オワハラ」がなくならない理由 なお続く駆け引きと学生の受け止め方に原因

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オワハラはその名のとおり「ハラスメント」の一種であり、あくまでも受け手である学生がハラスメントと感じるかどうかが問題になる。第一志望の企業からの依頼であれば、オワハラだと感じたとしてもそれは決してネガティブなものとして受け取られないだろう。現にこんなコメントもある。

・その他残っている企業への辞退を求められた。ハラスメントというほどではなく、お願いというニュアンスだったが、第一志望だったため応じた。

オワハラはもちろん褒められた行為ではない。ただし、学生の方々には、オワハラをネガティブにとらえるのではなく、ポジティブに考えるようにしてほしい。

期待しているからオワハラをする?

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企業側は決して嫌がらせや圧迫面接をしているわけではない。ぜひ採りたい、入社してほしいという思いで、少しばかり強引なやり方をとってしまうのである。「別に入社してくれようがくれまいが、どちらでもいいよ、好きにしていいよ」という評価しか受けていないレベルの内定であれば、オワハラを受けることもないだろう。もちろん極めて紳士的な採用活動を展開している企業の場合、オワハラまがいのことがなくても大いに期待されていることもあり、「オワハラがない=期待されていない」は必ずしも成立しない。しかし、「オワハラがある=期待されている」可能性はある。

自社の採用計画を達成すべく、オワハラに走らざるを得ない採用担当者の立場も少しは考えてあげられる余裕が持てたら、就活生はきっと強くなれるはずだ。

松岡 仁 ProFuture HR総研 主席研究員

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まつおか ひとし / Hitoshi Matsuoka

就職情報会社3社を経て、2009 採用プロドットコム(現ProFuture)に入社。新卒採用に限らず、キャリア採用、人材育成、人事制度、人事システム、労務、法改正対応等、人事領域に関連する幅広い各種調査の企画、実施・分析を行う。朝日新聞、日経新聞をはじめ、新聞、人事系雑誌、テレビからの取材依頼も数多い。

 

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