就活で企業の「オワハラ」がなくならない理由 なお続く駆け引きと学生の受け止め方に原因

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しかし結果は当初の予測通りにはならなかった。HR総研は6月末に就活生を対象に実施した就職活動動向調査の中で、「オワハラと感じた出来事があったか」「あったとしたらどんな内容か」を聞いている。「オワハラと感じた出来事があったか」は、昨年の調査でも聞いており、その数字を比較すると、2016年卒文系:28%→2017年卒文系:23%、2016年卒理系:19%→2017年卒理系:17%という結果となった。減少はしているが、減少幅は微減にとどまる。オワハラと感じる行為は今年も一定程度あった。

理由は簡単だ。オワハラ、あるいはオワハラと感じるような行為は、中堅・中小企業が6月からの大手企業の選考を受けさせないために実施しているだけではなく、大手企業同士、あるいは中堅・中小企業同士の間でも横行しているためである。昨年のような選考時期のタイムラグの問題ではなかったのだ。オワハラには、今後の他社の選考を受けさせないというものだけでなく、先に出ている他社の内定を辞退させるというものも存在する。

学生が証言する「オワハラ」の数々

実際に学生が「オワハラと感じた出来事」にはどんなものがあるか、就活動向調査の学生のアンケートから見てみよう。


・今すぐここで辞退電話をしてほしいといわれた。
・内定承諾書を提出する際、大学または教授からの推薦書を持ってくるように言われた。
・ゴールデンウィークまでしか待てないと言われた。
・今日中にすべての企業を断れますかと聞かれた。
・選考中に「次のステップに行くならば、うちに入る覚悟を持ってこい。その覚悟がないならやめてほしい。親御さんにもうちに入ることを伝えてから来てね」とやんわり圧をかけられた。
・いつなら返事もらえる?と頻繁に連絡があった。
・他の会社で選考中の場合は、内定を出せないと言われた。
・その場で承諾しない限り、内々定は取り消す、と言われた。
・わざと内定者懇親会を公務員試験の日にかぶせ、公務員試験を受けさせないようにした。

オワハラ以外のなにものでもないものもあるが、オワハラとまでは言えないだろうというものもあるようだ。また、中にはこんな例もある。

・断ったら怖い顔するからねと言われた。

幼稚園児に言い聞かせているような発言だが、実際にあった回答だ。さらに、

・他の会社を考えていることを話したら、その会社の良くないことを長々と話された。

という回答もあった。営業の現場では、競合企業やサービスのマイナス点ばかりあげつらう行為は禁じ手だといわれている。これはどんな場合にもあてはまる。少なくとも自分が関心をもって接触してきたものを完全否定されたとしたら、相手は決して気分がいいものではない。そこにはマイナス効果しか生まれない。

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