統治の根幹をどう作る?選挙改革の"選択肢"

勝者総取りの「多数制」、小党分立の「比例制」

民意をどのように集約するか?の違い

小選挙区制の導入後に進展した、マニフェストを軸とした市場競争型デモクラシーの行き詰まりを指摘し、有権者の参加を促す比例制の可能性を論じる。
中北浩爾・著 『現代日本の政党デモクラシー』 (岩波書店、2012年)

両者の違いは、選挙区の民意をどのような方法で集約するかにある。

多数制は、いわば勝者総取りの制度で、ある選挙区全体の民意を、最も多くの支持を得た単一の政党あるいは候補者が代表する。それに対し比例制における民意は、得票の比率を反映し、複数の政党に比例的に代表されることになる。

つまり、この二つの選挙制度の違いは、相対的に少数の有権者の支持を集める政党が、代表として選出されるかどうかということになる。

この点を踏まえると、両者の特徴は次のように整理できる。まず、多数制で選出された代表は、それぞれの選挙区での勝者総取りを積み重ねて、議会の多数を形成する。選挙区で相対多数を獲得できない少数派は議会に代表を送り込めない。

多数制の下では、一定の票を集めた少数派が、それに見合う議席を獲得できないという非比例性が生じやすい。逆に、圧倒的でなくとも相対多数を獲得すれば、得票に比して多くの議席を獲得し、安定的な政権を構成することができる。

他方、比例制は多様な代表を許容する。議会の多数を握る圧倒的な政党が存在せず、権力の集中が抑制される。しかし、多様な勢力が議会で代表されれば、必然的に小党分立が起こり、連立政権が常態となる。

連立政権の中で意思が統一されなければ、連立の組み換えが行われ、任期を終えずして政権が変わる点で、政治の不安定化が予想される。比例制では自分たちの意見に近い政党を議会に送ることが評価されるが、選ばれた政党がどのような枠組みで連立政権を構成するか、有権者が規制することは容易ではないのだ。

同じように連立の観点から見ると、政権を獲得するために多数の支持が必要な多数制は、いわば連立の選択肢が事前に提示されているようなもので、有権者は政権の枠組みを選択できる。ただし、やや異なる志向を持つ人々も一つの政党に大同する必要があるので、政党へのシンパシーを感じにくいこともあるだろう。

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