ガラパゴス的雇用が、生き残る道 未来の仕事はどうなるのか?

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拡大する「先進国格差」 8割の国は“負け国”に

一方、日本以外の世界はグローバル化で統合が進み、リチャード・フロリダが『クリエイティブ都市論』で述べたように、「デコボコな世界」になっていく。優秀人材が集まらない都市は、貧困層だらけとなる。

EU(欧州連合)は拡大を続け、25年には、7000万人もの人口を抱えるトルコの加盟も現実味を帯びる。EU域内は人材の移動が容易なため、多民族化が進む。新興国の優秀人材は米欧に留学し、そのまま現地で職を得るケースも増える。

こうして米欧を中心に人材市場が統合され競争が激化すると、「グローバル政府」が存在しない以上、富を再配分する機能は存在しないため、8割の人は貧しくなり、2割に富が集中する。

すでに若年失業率が50%を超えているスペインなど“負け国”が現れている。敗者はさらに貧しくなるが、競争に参加しないという選択肢はない。これは社会の安定にとって好ましくないうえ、理不尽だ。

日本人がラッキーなのは、閉鎖的で巨大な国内市場で働くか、世界に打って出るか、という選択肢があることだ。重要なのは、国内で進化させた“ガラパゴス雇用”を25年以降も確実に維持することだ。そして、それは競争政策に懸かっている。

なぜかというと、統合されたグローバル市場では、グラットン教授のいう多様性の強みが極みに達し、アイフォーンの何倍も優れた最強の製品やサービスが生み出される可能性が高まるからだ。

現在でもITの世界では、グーグル、アップルなど外資が完勝し、日本から富を吸い上げ、米国に富が還流しているが、これがほかの産業でも起こると、国内市場が縮小し、国内で職を得られなくなる。

住宅営業や保険営業など、日本人顧客との接点となる、いわば「ラストワンマイル」のマーケッターは、最も外国人の参入障壁が高い仕事だが、それも巨大な個人金融資産があってこそ。国内で資金が回るよう経済を盛り上げなければいけない。

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