競争政策導入すれば“ガラパゴスの栄華”も
必要なのは、一にも二にも競争政策だ。日本は、競争が激しい外食業や製造業など自由競争の産業と、競争がほとんどないインフラ、メディア、公共、農業、教育、医療福祉などの規制産業に、はっきり分かれている。そして国内競争が厳しい業界が、世界にも通用するレベルであることは、世界シェアが高い中小企業を含む製造業などの実績から証明されている。だから規制産業を競争産業に変え、GDPを拡大すればよい。
たとえば東京ガスは独占企業なので、スマートメーター化を進める動機がなく、毎月1回、全世帯を人間が回って検針している。通信技術の進化で自動検針は簡単だが、規制に守られているから投資を怠り、莫大な人件費を浪費している。東京電力も水道局も同じ。国民は明らかに無駄に高い料金を払っている。
インフラ業界に競争政策を導入し、莫大な検針員の労働力を、不足してくる介護業界に移行させ、ガス料金を下げるだけで、国民の可処分所得は上がり、内需拡大に貢献する。ガス会社の投資でGDPは上がり、その実績から、メーターの輸出産業化も可能となる。
25年の日本の労働市場がガラパゴス的な栄華を極めるかは、政府が規制産業の既得権者たちとの戦いに勝てるか、に懸かっているのである。
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