ギャルママが生み出したヒット商品の秘密 ニッチな市場には中小企業の商機がある

✎ 1〜 ✎ 26 ✎ 27 ✎ 28 ✎ 最新
拡大
縮小
ギャルママが実際に参加している商品開発会議の現場

取材で、ギャルママと呼ばれる若いお母さんたちにお会いする機会がありました。10代後半から20代前半のちょっとハデでオシャレな母親たちです。でも見た目と違って、皆さん、社会的にもしっかりされています。震災復興支援など、社会奉仕的な活動をしている人も少なくないそうです。

ギャルママたちは、独特のファッションをしており、普通のお母さんたちとはちょっと異質の存在でもあります。こうした存在に大阪の中小企業が目を付けました。町工場が密集する東大阪市で、キャラクター雑貨等の企画製造を行うカワキタさんです。河北一朗社長は、当時を振り返ってこう言われます。

ギャルママのごちゃごちゃ感に圧倒

この連載の一覧はこちら

「売り上げのほとんどが受注生産であることに危機感を持っていました。将来的な海外進出も視野に入れて、自社ブランドを立ち上げられないか、と考えたのがきっかけです」

生来子供好きで、東アジアを中心に所得が上がっている現状から、ベビー・子供向け商品がいいのではないか、と漠然と考えていました。

そんな時目に止まったのが、ド派手なギャルママ向け雑誌『I Love mama』(アイラブママ/インフォレスト発行、現在休刊)でした。ファッション、美容、オシャレ小物など、「ギャルらしいごちゃごちゃ感」に圧倒されました。「子供向け商品はほぼ母親の好みで購買されます。ここはひとつ、規模は小さいが確実にニーズのあるギャルママ市場をターゲットにしよう、と思いました」。

次ページターゲットに商品開発をさせよう
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT