忘れた頃にやってくる大人の「水疱瘡」の恐怖 一度かかったらウイルスは体に潜み続ける

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歯科の分野では、三叉神経という眼や上顎、下顎に通っている神経に発症することがあります。

具体的には、

・頭皮がピリピリする
・耳の後ろが痛む
・洗顔すると顔の皮膚が痛い
・眼の周りがピリピリする
・上顎の粘膜が火傷したように痛む
・下顎のリンパ節が腫れている

といった症状が現れます。

帯状疱疹の初期症状には、まちがいやすくまぎらわしい病気もあります。

・蕁麻疹(じんましん)やその他の湿疹
・虫さされ
・とびひ、何らかのかぶれ

いずれも湿疹・かゆみ・痛み・はれが伴うため、初期症状だけで帯状疱疹と判別するのは難しいです。ですが例えば発疹の場所で比較すると、蕁麻疹なら全身、虫さされなら刺された部分、かぶれなら接触した部分に出るところを、帯状疱疹は体の右か左かどちらか片方だけに出るという特徴を持っています。また場所で言うと、帯状疱疹は背中~胸にかけての部分、背中や腰~お腹にかけての部分、太もも、腕など皮膚の柔らかいところにベルト状にできます。

早期治療が大切

帯状疱疹の治療は、とにかく早期治療が大切です。抗ウイルス薬などを飲んだり、塗り薬を塗ったりし、お口の中にできた場合はうがい薬でよくうがいをし、他の合併症がなければ、水疱ができてから1週間弱でかさぶたになり、2~4週間で治ります。高齢者や抵抗力の弱い方は再発を繰り返すこともあります。また、早期治療ができなかったり、放置してしまったりした場合には、長く神経痛や水疱の跡が残ってしまう場合もあります。特に、顔の神経に発症したときは要注意で、早めに適切な処置をしないと顔面神経麻痺を起こしたりする場合もありますので、早めの受診をお勧めいたします。

帯状疱疹ウイルスが原因で「ラムゼイハント症候群」と呼ばれる病気が起こることがあり、重症化することが多く完治率は60%、重い後遺症も残りやすい疾患です。皮膚や粘膜などに強い痛み、さらに耳鳴り、難聴、めまい、声が出にくいなどの症状を合併してくることがあります。このような症状が出る前に、皮膚や粘膜に異変を感じたらクリニックを受診しましょう。

もし帯状疱疹が発症したら、水疱は破らないようにしましょう(痕が残ったり、化膿したりします)。水疱が破れてしまったり、ただれていたりするときには入浴をさけたほうがいいです。栄養を十分にとり、出来るだけ安静にし、十分に休養をとりましょう。免疫力を回復させることが、完治への近道です。

一般的には帯状疱疹が他の人にうつることはありませんが、帯状疱疹を発症している人が、水疱瘡にかかったことの無い人に接触すると、水疱瘡の症状が出ることがあります。水疱瘡にかかったことのない小さな子供には接触しないようにしましょう。

放置したり、治療開始が遅くなると、このように重症化したり重い後遺症が残ったりする可能性が高くなります。早期治療により早期回復、早期に完治する可能性も高くなりますので、皮膚や粘膜に違和感が出始めたら、できる限り早くかかりつけの医療機関を受診しましょう。お口周りの場合は歯科医院で対応できます。

小林 保行 歯科医師/キーデンタルクリニック院長

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こばやし やすゆき / Yasuyuki Kobayashi

2004年東京歯科大学歯学部卒業、表参道の総合歯科医院に勤務。2006年市谷の歯科医院にて副院長として勤務。2008年に赤坂見附駅から徒歩1分の場所にキーデンタルクリニックを開院しました。開院以来、「確かな技術で納得の治療を」モットーに、あごや歯の場所を細かく分析をし、歯だけでなく口回りを総合的に診断。現在はムシバラボというサイトを立ち上げ、歯や口周りの情報を発信。主な資格はDHA岩田セミナー認定医、総合治療セミナー「一の会」認定医、クリアアライナー矯正認定医、日本顎咬合学会所属、日本インプラント学会所属、消防庁認定、救命技能講師修了。

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