「どうしたら異性にアピールすることができるのかを実践的に考えることができました。洋服はずいぶん買い換えましたよ。婚活パーティーに参加するときの目標は、人気ランキングで3位以内に入ることです。ただし、(若い女性が多くて)負けることがわかっていたり、自分が希望する男性がいなさそうな場に行ってはいけません。同じ業者が主催するパーティーでも、開催の曜日と場所によって参加者層が大きく異なることもわかりました。土日は若い女性が増えるので要注意。平日に有楽町開催、とかは狙い目です。真面目そうな官公庁の男性がいたりします」
晩婚さん予備軍へのアドバイスモードになっている裕子さん。元コンサルタントの癖なのかもしれない。そして、自らが設定した期日もきっちり守った。年明けには潔く結婚相談所に入会したのだ。裕子さんは34歳になっていた。
「お見合いおばさんが個人で経営している相談所ですが、(数万人の独身者が登録している)データベースに自由にアクセスすることができます。私は他人に紹介される人を気に入る自信はありません。結婚相手は自分で選びたいんです。選んだ相手とのお見合いを組んでくれるのはおばさんなので、彼女のモチベーションが高いことも重要ですよね。前払い制ではなく、成婚料という成功報酬制にしている結婚相談所を選びました」
成婚料は25万円。入会金5万円、月会費1万円、お見合い1件につき5千円の手数料がかかった。やや高額の部類に入る相談所だ。同じぐらい結婚に真剣で稼ぎのある男性が登録しているとも言える。裕子さんはここでも「月2ペースのお見合い」という目標を掲げ、現在の夫である周平さん(仮名、46歳)と出会うまでに20人弱の男性と会った。「自分で選びたい」のであれば、これだけのおカネと労力を投入する必要があるのかもしれない。
婚活は「ときめき」を求めて苦戦
「婚活は苦しかったです。断ることも断られることもあり、そのために『またダメだった』と凹みました。モチベーションの維持は本当に大変でしたね。今から考えると、恋愛感情というかときめき感を求めていたのが敗因だったと思います。ホテルのラウンジで2時間ぐらい話しただけでときめくのは無理です」
小規模のコンサルティング会社の役員を務めている周平さんに対しても一目惚れをしたわけではない。責任を負い、リスクをとって働いていることを尊敬しつつも、最初の頃は会話が弾まなくて戸惑ったと裕子さんは振り返る。
「昭和な男で、雑談はできない人なんです。とにかく3回は会ってから判断しようと決めていたので、3回目のときに仕事の話を聞くことにしました。私も元々はコンサルタントだったので話題はつきませんでした」
それぞれの「お見合いおばさん」に成婚料をきっちり払って退会し、2カ月後には婚約をした。裕子さんは36歳の誕生日を迎えていた。
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