エイベックス「ヤンキー兄ちゃん支援」のワケ 松浦社長が考えるヒット創出の処方箋
山田:ヒット創出の施策として「多様なコンテンツの取り込み」というキーワードを掲げています。音楽だけでなく、いろいろな才能を持ったクリエーターを育てていくことを目指すわけですよね。
松浦:これは、ぜひやっていきたい。「クリエーターは自分のパフォーマンスに専念してください。それ以外のところは全部やりますよ」っていう仕組みを作っていきたい。
山田:政治家のプロデュースとかも考えられますね。政治家は究極のクリエーターです。
松浦:すべてにおいて360度考えていく。いろんなことに応用できるのかなと思っています。
山田:南青山の新本社をそういうクリエーターを育てる場所にすることを目指していると思いますが、日本人中心でしょうか。
松浦:イメージですけど、10年後のエイベックスは外国人が3~4割いるといいのかな、と。「どこの国の会社?」みたいになったらいいなと思います。
アップルよりグーグルのほうが好き
山田:今年、シリコンバレーの会社見学に行ったと思いますが、代表的企業であるグーグルとアップルは、カルチャーがまったく違う。シアトルに行くと、アマゾンもまったくカルチャーが違うし、マイクロソフトも違う。訪問した会社の中で自分のフィーリングに合うなっていう会社はどこでしたか。
松浦:アップルではないなっていう感じはしました。
山田:スティーブ・ジョブスを信奉するように松浦さんを信奉するカルチャーはダメですか。
松浦:というよりも、僕はどちらかというと、グーグルのほうが自由で好きですかね。
山田:ビジネスの中身的にもグーグルのほうがオープンですね、アップルは全部囲い込んじゃいますから。それに対し、エイベックスはドコモ、サイバーエージェントなどと組みながら事業を進めるあたり、グーグル的かもしれないですね。見学は、新本社を作るうえで参考になりましたか。
松浦:参考にしようと思って行ったんですけど、参考にならないですね。敷地の広さではまったく比べものにならないし、東京では到底できない。シリコンバレーという地域に多くの会社が集まってくるっていうのも、やっぱり日本ではマネをできない形だと思う。見学に行って、そこに圧倒されてしまった。「なんだよ、もう最初から勝ち目がないじゃん」という感じでした。
山田:シアトルにあるアマゾンの新本社の敷地はあまり広くありません。今ちょうど建設中で、高層ビルを建てています。郊外ではなく、シアトルのダウンタウンのど真ん中にある。これが参考になるのでは?
松浦:そうですか。いろいろなものを参考にしながら、エイベックスらしい本社にしていこうと思っています。
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