縁もゆかりもない場所で友達を作る方法 「妻の友達」は「僕の友達」戦略?

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この仕事に就きたい若い人には、自然の中でたくさん遊ぶことを勧めるよ。私が小さい頃は、水が出るまで地面を掘ったりして遊んでいた。おしくらまんじゅうをして人との距離を測ったり、ハンカチ落としで「あいつは私を狙っとる」と感じたり。外で遊ばなくなった今の子たちは、何となく「働く感覚」がすごく薄いよね。

自然の中で遊べば仕事の勘が鋭くなる?

そういう子どもの頃の遊びは大人になってから「この道を通るのはなんか嫌だな~」と感じるセンスにつながると思う。私は一人で海外旅行をするけれど、どんなボロいタクシーに乗っても危ない目に遭ったことはないよ。

今でも自然の中で遊んだ後は仕事の勘が鋭くなる。まじめに仕事ばかりしていると、ソツなくサササっとこなせるようになるかもしれないけれど、人としての深みがなくなる気がする。会話の展開も悪くなるよ。

――ところで彼氏募集中だったよね。どんな人がいいの?

一緒にスポーツをすると(運動神経と体力の差を目の当たりにして)ヘコむ人がたまにいるけれど、運動はできなくてもかまわないよ。めげずに付いて来てくれればうれしいけれど。

ジェットスキーで後ろに乗せるとその人の運動神経がだいたいわかる。ふわっと柔らかく乗れる人もいれば、私が運転しにくくなるほどガチガチになってしがみついてくる人もいる。ガチガチな人でもかまわない。それはそれで面白いから。

運動ではなくても、何かにハマっている人がいいな。一生懸命な人が好き。他人には負けない何かを持っていてほしいね。

毎週、地元の仲間とバスケットボールの練習をしています。

ジャージ姿で対応してくれた糟谷さん。普段も白衣は着用しないという。「生地の伸びが悪いので動きにくいし、パンツが透けるし、子どもに怖がられるから」と、明確な答え。接骨院の先生というよりスポーツインストラクターのお姉さん、という雰囲気だ。飾り気がまったくない。

ただし、街のレストランで会食をするときは見違えるほどオシャレで美しい姿で現れる。場面に合わせて人生を思い切り楽しもうという心意気が伝わってきて、こちらまでうれしくなる。

大阪や名古屋といった都会で勉強したものの、独立開院は西尾市のロードサイドに落ち着いた糟谷さん。地元に戻ることで肩の力が抜けたのかもしれない。本人も「周りの人への気遣いはするけれど、周りの人から自分がどう見られているかは気にしなくなった」と語る。

気遣いはするけれど気取りはしない――。大人になってから作る友人関係はかくありたいと思う。

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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