――接骨院をやろうと思ったのはいつ頃?
18歳のときだよ。最初は体育教師になろうと思っていたけれど、高校の先生に「お前は向かない」と言われた。確かにそうかもね。私は校長の言うとおりに何でも従ったりはできないから。
でも、スポーツにかかわる仕事がしたかった。通っていた接骨院の先生に「どうしたらなれるの?」って聞いたら、大阪の行岡保健衛生学園を勧められた。「柔道整復師(国家資格)の東大」と言われている学校だよ。そこに3年通って、名古屋で鍼の学校にまた3年、(愛知県)岡崎市と(奈良県)天理市の接骨院で6年働いて、30歳で開院した。
――もう修業は十分だと判断したのかな。
開院したのは、そろそろ自分の好きなようにやりたかったから。治療法のゴールが見えたわけじゃないよ。むしろ、見えたらダメだと思っている。患者さんごとに治療も全然違うしね。覚えたことを忘れたり、(施術の)感覚がバカになっちゃうこともある。患者さんの体重が1キロ変わったらすぐにわかるぐらいでいたい。
刺激を得るためにも、神戸で開かれる勉強会に毎月参加している。自分より勉強している人も多いから、「私もちゃんとせな」と思う。勉強会の後の飲み会が重要だったりするから、深夜まで付き合うよ。
――実家暮らしだったよね。車で30分もかかる場所で開院したのはなぜ?
開院する前に1カ月ぐらいヨーロッパをフラフラと旅行している間に、いま受付をしてくれている姉が物件を見つけてきた。姉は結婚しているので、自宅から近い場所がよかったみたい。
私は家の近くではやりたくなかった。あまり近所だと24時間営業になってしまいそうだから。30分運転して通勤することで「仕事に行く!」という気持ちになるし。帰りは遠く感じるけどね。お腹が減っているから。
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