夏枯れ相場に立ちはだかる1万7000円のカベ

米国株一服、円高加速なら「スピード調整」も

 その一方で2016年に入り、国内での自動運転の実用化が近づいている。米自動車会社が日本の国土交通省の承認を得て、公道での自動運転ソフトの配信を開始。神奈川県ではロボットタクシーによる公道走行が実証されている。今後は交通事故減少、渋滞緩和、燃費向上等の交通安全面や環境面の改善が確証されれば、老若男女に優しいクルマ市場が切り拓かれる。日本経済の屋台骨としてクルマ業界の成長が、GDPの底上げにつながる

実は薄商いが続いている。2016年の東証1部における一日当たり売買代金は5~6月が2.1兆円前後だったのに対し、7月は約2.4兆円まで膨らんだ。ただ、これはポケノミクス相場におけるゲーム関連株1銘柄(1日当たり売買代金0.3兆円程度)を間引くと、全体市場の売買代金は横ばいだった。

8月上旬の東京株式市場は円高が進んだものの、主力の輸出関連企業中心に決算の下振れ懸念も限定的にとどまった。8月中旬には最高値を更新する米国株高や原油高を背景に、一時1万6900円台まで戻りを強める場面もあった。ただ、テクニカル面に目を移すと、1万7000円前後には戻りメドが重なっている。

注目のFRB議長講演と日銀会合

国内金融機関等の損益分岐点とみなせる3月月中平均(約1万6900円)、長期投資家の売買コストといえる200日線(約1万7200円)、日銀がマイナス金利導入発表した1月末値(約1万7500円)が並んでいる。8月16日の日経平均株価は1万6596円で引け、前日比273円安と大幅続落。為替市場でドル安・円高圧力が強まり、市場参加者の心理を悪化させた。

8月下旬、米ワイオミング州で年次経済シンポジウムが行われ、各国の中央銀行総裁や政治家等が一堂に会する。26日にはそのジャクソンホールでイエレンFRB議長の講演が行われ、市場関係者の注目が集まる。一方、日銀は9月の会合に向けて金融政策の総括的な検証を行うとしており、今後の金融政策にどのような影響を与えるのか注視したい。

当面の日本株は日銀のETF買い入れによる下支えが期待される。しかし、相場格言において「出来高は株価に先行する」といわれる。仮に最高値更新が続く米国株の上げ一服や円高が加速した場合には、スピード調整も十分ありうるだろう。

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